2015年7月12日日曜日

Benoît Magimel, Laura Smet主演2004年仏独映画「石の微笑」(原題La Demoiselle d’honneur, The Bridesmaid)を観ました。

Benoît Magimelは、インテリの不安を良く表現できる。日常生活の中に潜む人の心の闇を描いた映画。若手女優Laura Smetの燃えるような瞳が怖い。


フランスでは、こういう映画でも観客が入り、映画会社は採算が取れるのでしょうか。ミステリー作品と広告の文章には出ていますが、薄気味悪いだけだな、と思ってしまう観客もいそうです。

こんな変な女とは一切関わらないことだ、と切り捨ててしまえばそれでおしまい。この映画でLaura Smetが演じたような女性は滅多にいない。ありえない、と思う観客もいるかもしれない。

しかし現実には、見かけは真面目な人が殺人事件を起こしてしまうことがあります。少し前ですが、北陸地方である教員が殺人罪で逮捕されました。

報道された顔写真を見る限り、真面目な先生としか思えない。

この映画を観て私はその事件をふと思い出しました。この映画は、妄想の世界に住み、虚言症に陥ってしまった人の心を描いています。

平凡な人間でもときにはなぜか人を殺めてしまう-心の闇が表面化した


見かけは平凡な人がなぜ殺人のような凶行をしでかしてしまったのか。教員が殺人なんて、普通には想像もできません。

誰でも、心の闇、裏の顔とも言うべきものを持っています。

殺人をしでかした人は、何かの拍子で心の闇が表面化してしまったのではないでしょうか。

Laure Smet演じるヒロインは恋人に次を希望します。

私を本当に愛しているなら、(1)木を植える(2)詩をかく(3)人を殺す(4)同性と性行為をする。の四つです。

主人公はこれを拒否しますが、人を殺したと嘘をつきます。巡りあった彼女との関係を維持したかったのでしょう。

愛情関係は人の精神は異常にさせる-虚言症にもなりうる


本当に人が人を愛する時には、精神が高調します。一時的にせよ異常な気分になっているとも言える。

常に正常、いつもと同じ精神状態だったら「愛し合う」ことなど成立しえない。一時的には、虚言症のようになっているとも言える。

Claude Chabrol監督はこの映画で心の闇を描いたのです。

主人公の母親の恋人が誠実そうに見えて実は嘘つきだったこと、主人公の妹の犯罪が描かれている。

普通の生活を営んでいるが嘘をつく人より、ホームレスのほうが裏表がなく真面目そうに描かれているのも面白い。

Benoît Magimel,の不安げな表情とLaura Smetの燃えるような瞳も印象に残ります。

0 件のコメント:

コメントを投稿