身体障害者の息子(高校生)を持つ50代男性が失業したらどうすればよいのか
諸般の事情により、多忙で暫くブログを更新できませんでした。
アクセスして下さっている皆さん、すいません。
久しぶりに仏映画を観ました・厳しい現実を淡々と描く映画でした。
いろいろな理由で勤めている会社の経営が悪化したら、経営者は不採算部門を切り捨てねばなりません。
それができなければ、会社が倒産してしまう。切り捨てられた部門に所属していた労働者は解雇される。
50代で解雇されたら、よほど特殊な才能を持っていない限りそれまでのような労働条件で再就職するなど夢のまた夢でしょう。
この映画の主人公、ティエリーは解雇されて再就職先がなかなか見つからない。
元の会社の経営陣と裁判闘争を続けようという仲間にもついていけず、再就職訓練でクレーン技師の資格をとって再就職しようと努力します。
しかし、建設関係では職務経験のある人しか雇わないそうです。
再就職訓練は無駄になってしまいます。もうすぐ失業手当の受給額が500ユーロになってしまい、そうなったら毎月かなりの赤字になってしまう。
こう悩む主人公に、銀行の担当者は持ち家を売却することを勧めます。
そうすれば、現在の借金を返せますし、もっと安い額で借家をすれば暮らしが楽になるという話です。
しかし、マイホームに思い入れがあるティエリーにそんなことはできません。察するに、奥さんと息子にとっても大切な住処なのでしょう。
高校生の息子は、身体障害者です。知的遅れはないようですが、体の動きがぎこちない。どんな障害なのかはよくわかりませんでした。
ティエリーの心中には常に、この子は将来どうなっていくのかという気持ちがあるのでしょう。
ティエリーは移動式住宅を売却する決意をします。仏にはこういう住宅があるのですね。
しかし、電話で7000ユーロで買うと約束をしてくれた相手に実際に家を見せたら、6000ユーロにしてくれと言われてしまいます。
これではとても算盤があわず、売却はできない。
人生には、何かの拍子で歯車が狂うと次から次へと裏目に出てしまうことがあるようです。
ティエリーは仕事に就けたが
漸く、ティエリーはスーパーマーケットの警備係の仕事に就くことができますが、ここでも試練が待っていました。
最後は、「キレて」職場を去ってしまう。この終わり方は私にはよくわからなかった。
中高年の失業者対策について政策提案を映画に求めるべきではないでしょうが、抑制のできるはずの主人公の性格が突然変わってしまったように思えました。
この映画は、失業した中高年の厳しい生活を描いている。社会的には意義のある作品です。
しかし日本で同じような作品を作って興行上、算盤があうでしょうか。仏ではこの映画はかなりの観客動員数だったらしい。
同じような悩みを抱えている方々が、この映画を観ても自分の現状を打開する策を見いだせるとは思えないのですけれど。
それでも、失業者の現状に関する映画や社会評論は必要です。論じる事それ自体に意義はありますから。
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