2018年11月15日木曜日

玉城沖縄県知事による那覇軍港の浦添移転・浦添沖での米軍新基地建設是認より思う。

玉城知事の沖縄県議会での答弁「那覇軍港の浦添移設については『返還が実現すれば基地負担の軽減、跡地の有効利用により発展に寄与すると考えており、これまでの経緯を踏まえ、浦添移設を認めることになると考えている』と容認する考えをしめした」(琉球新報、10月19日昼配信のインターネット記事より抜粋)。


最近、沖縄の現状についていろいろ勉強しています。那覇軍港の浦添移転と突然言われても、本土に住む者には今一つ、ピンときません。

新聞記事などをいくつか調べました。現在は米軍が那覇軍港を一応、利用しています。かなり遊休化しているようですが。

これの浦添移転は軍港全面返還の条件として、平成8年の日米特別行動委員会最終報告に盛り込まれました。

那覇軍港の移設については、沖縄県と那覇市が軍港と民間港を分けた移設案を支持し、地元浦添市は軍港と民間港を一体とする案を支持しています。

どちらの案でも、相応の埋め立てが必要です。

米軍基地移設に伴う海の埋め立てに反対なら、辺野古沖、浦添沖両方の埋め立てに反対しなければつじつまがあわない。

日本共産党はなぜ浦添での米軍新基地建設を認める故翁長知事、玉城知事を支持するのか


日本共産党、左翼知識人、運動家の皆さんは普天間飛行場の辺野古沖移設に断固反対しています。

日本共産党は那覇軍港の浦添移設にも断固反対である旨、国会や県議会で繰り返し主張しています。

ところが、日本共産党は那覇軍港の浦添移転を容認していた故翁長知事を支持していました。この件は城間那覇市長も同じです。

故翁長知事の仕事を受け継ぐと選挙の間繰り返し訴えておられた玉城知事が、上記のように認めるのは当然です。

玉城知事がこれに反対したらむしろ公約違反でしょう。

おかしいのはむしろ、日本共産党、あるいはオール沖縄の皆さんではないか。松本哲治浦添市長はブログや市議会でそんな主張をなさっています。

真に奇妙な話です。

那覇軍港の浦添移転、浦添での米軍新基地建設を日本共産党はなぜ危険と主張しているのでしょうか。

日本共産党の古堅実吉衆議院議員(当時)が平成11年2月18日に衆議院でこの点を詳細に説明されています。

以下、古堅議員の発言を私なりに要約してみます。

古堅実吉衆議院議員による那覇軍港移設反対論要旨


那覇軍港はかつて、沖縄米軍の軍需物資搬出入の拠点だった。最近はかつての機能の多くを他施設に移している。那覇軍港は無条件で沖縄に返還されるべきである。

現在の那覇軍港は水深が9.7メートルにとどまっているので、水深11メートルから13メートルを必要とする米軍の大型艦船寄港には大きな難点がある。

浦添沖なら、自然の水深でも深いところは15メートルある。新しく建設する軍港は、水深15メートルにできる。

現在の那覇軍港と牧港補給基地は、那覇都心部の国道を通って約6キロ離れている。寄港した輸送船から補給基地への異動で難点がある。

移設する浦添埠頭には牧港補給地区が隣接しているので、これを結ぶ直進道路によって軍港と補給基地の一体化が図られる。

那覇軍港の難点だった軍需物資の移動問題が大幅に改善される。米軍の望み通りの計画である。

那覇軍港が浦添に移転されることにより、世界に展開する米海兵隊の前進補給基地と軍港が一体化される。総合的な海兵隊支援補給拠点になる。

那覇軍港が浦添に移転したら浦添新基地が台湾海峡有事の際、中国人民解放軍の標的になる―日本共産党の平和理論―


古堅議員は、米軍の立場から見た那覇軍港の浦添移転、浦添での米軍新基地建設の必要性を大変わかりやすく説明なさっています。

世界に展開する米海兵隊の前進補給基地と軍港の一体化。まさにそうでしょうね。

日本共産党の「平和理論」からみれば、那覇軍港が浦添に移転したら浦添新基地が台湾海峡有事の際、中国人民解放軍の標的になりえます。

沖縄県を戦争に巻き込む米軍新基地建設断固反対!玉城知事は那覇軍港の浦添移転是認を撤回せよ!と日本共産党は大規模な反対運動を起こさねばならないはずですね。

故瀬長亀次郎氏ならそう主張なさったことでしょう。

ところが、現実の日本共産党はそんな主張をしていない。これは数年前からそうなっているようです。県議会や市議会で反対です、と述べるだけです。

日本共産党の平和理論に忠実な方なら、故翁長知事を強烈に批判せねばならなかったはずですが。

そんな度胸と気概のある日本共産党員はいなくなったのでしょう

日本共産党議員、職員、同党を支持する知識人の方々はそんなことを考えつきもしないのでしょうね。

日本共産党議員、職員でも日本共産党の「平和理論」を学んでいない


同党を支持する知識人は、厄介が生じるので一昔前の日本共産党の文献を読まないことにしているのでしょう。

上田耕一郎氏の「マルクス主義と平和運動」(大月書店刊行)を読んでいる議員、職員は稀有の存在なのでしょうね。

不破哲三氏の数ある文献も、いずれ誰も読まなくなるのかもしれません。宮本顕治氏の日本革命論は、既にそうなっていますから。





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