2020年1月13日月曜日

プロレタリア民主主義論者Lenin(レーニン)は人権侵害、抑圧を正当化している―志位和夫日本共産党委員長と正統派マルクス主義経済学者はLenin全集を読まないのか

「中国は覇権主義、大国主義で人権侵害をしている。共産党の名に値しない」旨、志位和夫日本共産党委員長はNHKの番組で述べたそうです。


この件、共産主義運動の歴史について何も知らない日本共産党職員、議員はその通り、とうなずくでしょう。

私見では覇権主義、大国主義で人権侵害をしてきたから共産党ではない、と今更志位氏が主張するならレーニンとボリシェヴィキ、ソ連共産党も共産党ではない。

私は本ブログでこれを繰り返し論じてきました。

Leninの民主主義論は、プロレタリア民主主義ですから、地主貴族や資本家、および彼らが支持する政治組織の言論の自由、政治活動の自由を認めません。

ロシア正教会はロシア皇帝の専制支配を支える組織という事になりますから、徹底的に弾圧されました。

これはLenin全集を真面目に読めばすぐにわかります。森岡真史教授(立命館大)はこの件について、随分前に詳しい論文を出されています。

志位和夫日本共産党委員長はLenin全集を読まないのか


「デ・イ・クルスキーへの手紙」(Lenin全集第33巻、p371-372。大月書店刊行)でLeninは次のように述べています。

「裁判所はテロルを排除してはならない。....これを原則的に、はっきりと、偽りなしに、かざらずに、基礎づけ、法律化すしなければならない。できるだけ広範囲に、定式化しなければならない」

「共産主義的所有制度を暴力的にくつがえそうとつとめている国際ブルジョアジーの部分を援助する方向にはたらくような宣伝または扇動、またはそういう組織への参加または協力は、極刑を持って罰せられる。

ただし、罪を軽減するような情状がある場合には、自由のはく奪または国外追放をもってこれに代えることができる」。

裁判所が行うべきテロルとは、「反革命」「国際ブルジョアジーの協力者」とみなされた人物を処刑することです。

Leninがこの手紙を書いたのは、1922年5月17日と記されています。新経済政策(NEP)の時期で、Leninの晩年にあたります。

正統派マルクス主義経済学はLeninのプロレタリア民主主義論をどう評価しているのか


Leninとボリシェヴィキは、このような発想で富農の撲滅、地主、貴族の追放、ロシア正教会大弾圧と聖職者の処刑、ロシア皇帝一家虐殺を断行してきました。

日本共産党の文献では無視されていますが、ロシア皇帝一家虐殺はLeninの時期に起きています。

石川康宏教授(神戸女学院大学)らマルクス主義経済学者は、Leninによるプロレタリア民主主義論と蛮行史をどうお考えなのでしょうか。

私見では新日本出版社の雑誌「経済」には、これらを論じた論考は全く出ていません。正統派マルクス主義経済学では、Lenin批判はタブーなのでしょうね。

またLeninは、ボリシェヴィキ以外の党派の出版の自由を禁止する事をロシア共産党(ボリシェビィキ)第11回大会で主張しています(全集第33巻、p320-321)。

Leninが目指したのはプロレタリア民主主義ですから、ブルジョアジーの手先と目される人物の処刑や党派の活動禁止は当然です。

ロシア皇帝一家虐殺など、今の私たちから見れば蛮行そのものですが、ロシア皇帝一家はブルジョアジーの手先だ、と言われたらそうでしょうねとしか言いようがない。

Leninのプロレタリア民主主義論を後継者スターリンは立派に継承し、グラーグと呼ばれる強制収容所をソ連各地に作りました。

国際ブルジョアジーの手先、スパイと目される人物は次から次へと処刑されました。これはLeninの教えの一つです。

スターリンとソ連共産党の指導下、日本共産党はコミンテルン(世界共産党)の一支部として活動していました。

スターリンは日本共産党に内乱を起こさせ、日本社会を大混乱させようとした


今の日本共産党が高く評価している32年テーゼは、帝国主義戦争の内乱への転化、プロレタリア赤衛軍創設、労働者農民の武装、議会の解散、労働者農民兵士ソビエト樹立などを主張しています。

要は、日本のソ連化をスターリンとソ連共産党は狙っていたのです。

これは、全世界のプロレタリア革命、ソ連化を主張したLeninの路線でもあります。

帝国主義戦争の内乱への転化、はLeninの方針そのものです。

スターリンはLeninの教えに基づき、日本共産党に内乱を起こさせて日本社会を大混乱させようと策したのです。

日本共産党はスターリンの覇権主義の産物として成長してきた団体です。

Leninとボリシェヴィキが訴えたプロレタリア民主主義は、今の中国や北朝鮮で根付いています。

志位和夫委員長が大国主義、覇権主義と人権侵害を断行する中国は共産党でないというなら、Leninのプロレタリア民主主義論とロシア革命を全否定すべきです。

これでは、日本共産党が反ソ、反革命分子と同じになってしまいますが。

マルクス主義経済学者として著名な石川康宏教授(神戸女学院大)は、Leninのプロレタリア民主主義論、帝国主義戦争の内乱へ転化論やロシア皇帝一家虐殺をどうお考えなのでしょうか。

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