2020年8月17日月曜日

日本共産党と歴史修正主義ー「51年綱領」と第七回大会中央委員会の政治報告より思う(「日本共産党の50年問題について」新日本出版社刊行に掲載)

 「五全協で『日本共産党の当面の要求―新綱領』が採択され発表された。

これは、日本がアメリカ帝国主義の支配のもとに従属していること、その支柱としての日本独占資本の売国的役割を明らかにした。...(途中略)

この綱領には若干の重要な問題についてあやまりをふくんでいたが、しかし、多くの人々に感銘をあたえ、かれらのたたかいを鼓舞し、激励した」(同書p26より抜粋)。

日本共産党の51年綱領(新綱領)とは、昭和26年10月に開かれた第五回全国協議会で採択され発表された綱領です。

この綱領は、日本の解放と民主的変革を、平和の手段によって達成しうると考えるのは間違いである、と明記していました(同書p320より)。

この綱領に基づき、当時の日本共産党員は武装闘争を断行しました。

第七回大会の中央委員会政治報告にあるように、当時の日本共産党員に感銘をあたえ、かれらのたたかいを鼓舞し、激励したのです。

今の日本共産党は、51年綱領は分裂した一方の側の文書であり、日本共産党の正式の文書ではないと宣伝していますが、これは第七回大会決定と異なっています。

昭和33年7月23日の第七回大会中央委員会政治報告は、51年綱領の問題点を指摘しつつも、綱領として高く評価しています。

51年綱領をその時代の日本共産党員は綱領と認識し、感銘していたのですから正式の綱領です。

51年綱領に示されている全ての規定は完全に正しい―第六回全国協議会決定より

第七回大会の前、昭和30年7月28日付の第六回全国協議会決定は、冒頭で次のように述べています。

新しい綱領が採用されてからのちに起こったいろいろのできごとと党の経験は、綱領に示されているすべての規定が、完全に正しい事を実際に証明している。

第六回全国協議会、第七回大会共に主導したのは宮本顕治氏です。第六回全国協議会決定は51年綱領の暴力革命論が正しい、と明言しています。

51年綱領が日本共産党の正式の綱領だった事を認めると、武装闘争も日本共産党の綱領と決定により断行されたことになり、今の日本共産党には都合が悪い。

だから51年綱領は正式の綱領ではない事にしよう、という話ですね。歴史修正主義者とは日本共産党にふさわしい言葉です。

第七回大会の中央委員会報告や第六回全国協議会決定を「日本共産党の50年問題について」という本に掲載されています。

殆どの若い日本共産党員はこんな本を知らないでしょう。50年問題、と言う言葉すら知らないかもしれませんね。

日本共産党の昔の文献を読んで日本共産党の歴史を考える、と言う当たり前の事ができない方が多い。

池内さおりさんら若い日本共産党員のツイッターを見ているとそう感じます。


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