Isabelle Huppert演じる中年女性音楽教師エリカにBenoît Magimel演じる青年ワルターが恋をする。エリカには異常な性癖があった。
抑圧され、鬱屈した感情を内心に抱いている人は何かのきっかけで全てを破壊してしまいたくなります。現代日本にはそんな人が少なくない。
とんでもない暴行や殺人事件をしでかした犯人の内心には、破壊への衝動があるのでしょう。
この映画は、病める現代人の姿と内面を描いています。
頭脳明晰で潔癖な雰囲気のピアノ教師エリカに魅かれた青年ワルターは、強引にエリカに接近していきます。ワルターに触発されたのか、エリカは徐々に本性を現します。
エリカの性癖、性的嗜好はあまりにも異様なので、私はここで説明する気になれません。
エリカは現代の「ジキル博士とハイド氏」(Dr. Jekyll and Mr. Hyde)か
知的で清楚な外面をもつ中年女性が、異常な内面を抑えきれなかったのか、犯罪にまで手を染めるようになっていきました。ジキル博士より、ハイド氏の内面が勝利をおさめてしまったのです。
少数でしょうが、エリカは現代人の一類型なのでしょう。心が壊れてしまった人はいます。
病める現代人を描いたという点では面白い作品ですが、私はこの映画を観て「本当に面白かった」という気持ちにはなれませんでした。
この映画はカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞したそうですが、興行的に成功したのでしょうか?監督が著名なのかもしれません。
映画の中で何度も流れるピアノの演奏は素晴らしい。
Isabelle Huppert、Benoît Magimelがそれぞれピアノを演奏する場面がありますが、代役を使っていないように見えました。
Benoît Magimelはいろいろな人物を演じられるようです。齢を重ねれば名優になりうる。
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