2015年2月1日日曜日

Romain Duris主演、仏・伊・西・英合作映画「ルパン」を観ました。(原題Arsène Lupin、2004年製作)

怪盗紳士 アルセーヌ・ルパンの愛と父親との相克を描いた映画です。「カリオストロ伯爵夫人」に主に依拠。


もう40数年前になります。子供の頃、「怪盗紳士」「奇巌城」「813の謎」「虎の牙」「水晶の栓」などを子供向けにしたアルセーヌ・ルパンもの(南洋一郎訳)を読みました。

ルパンとともに秘宝がどこに隠されているか、次から次へと起きる殺人事件の真犯人は誰なのかなどを考えていくことができ、子供心にとても面白かった。

当時好きだったビスケットの「チョイス」をほおばりながら、夢中になって読みました。

この映画は原作の生誕100周年を記念して製作されました。「カリオストロ伯爵夫人」に主に依拠しているらしいのですが、私はそれを読んでいません。

カリオストロ伯爵夫人は年を取らないそうです。原作でもそうなっているなら良いのでしょうが、「怪盗ルパン」が怪奇物語のようにも思えてしまいます。

カリオストロ伯爵夫人がルパンの子供をさらってテロリストに育てたようですが、そんな話が原作にあったのでしょうか。

「怪盗ルパン」は父親との相克を主なテーマとしていただろうか


勿論これだけではなく、ルパンが子供の頃首飾りを盗んだ話や、豪華客船で装飾品を盗む話、「奇巌城」のようなところに隠されていた財宝の話なども映画には含まれています。

私の記憶では、子供の頃のルパン・シリーズには父親との相克は描かれていなかったように思いますが、この映画の主題の一つはそれです。

子供向けですから、ルパンのロマンスが殆ど描かれていなかったのは当然でしょう。原作の「カリオストロ伯爵夫人」にはルパンのロマンスが描かれているのかもしれません。

ルパン・シリーズの愛読者ならすぐにわかるよう、いろいろな作品のエピソードが少しずつ入っているます。

ルパンがアクションスターのようになり、謎解きの面白さが半減している


惜しむらくは、アクション・シーンが多すぎ、ルパン本来の謎解きの面白さが減退していると感じました。

十字架に隠された秘密をルパンが解明していくのですが、途中に何度も激しいアクションが入ると謎解き物語なのか、007のようなアクション映画なのかよくわからなくなってしまいました。

Romain Durisは普段からかなり体を鍛えているのでしょう。見事なアクション・シーンがあります。

怪盗紳士アルセーヌ・ルパンを映画化するなら、「813の謎」や「奇巌城」を主な原作とするべきではなかったでしょうか。

 

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