「党の唯一思想体系確立の十大原則 朝鮮労働党中央委員会1974」と記されています。全体で64頁から成る小冊子です。
数年前、金正恩版として改訂されました。私はその原本を持っていません。中身はさほど変わっていないはずです。
金日成への絶対性、無条件性の忠誠を住民に強制する内容です。北朝鮮社会では、この「十大原則」は法より上です。
在日本朝鮮人総連合会関係団体の職員により構成される小社会でも、この「十大原則」に基づき行動するよう求められます。
「十大原則」は北朝鮮社会の掟、ともいえます。
在日本朝鮮人総連合会関係の団体に所属している職員の方なら、これを暗記なさっていることでしょう。中にはあまり覚えていない方もいるかもしれませんが。
北朝鮮、朝鮮労働党がどういう集団であるかを考えるためには、これは必須の文献です。30年くらい前に、日本共産党が「世界政治」とかいう雑誌に翻訳を出していました。
察するに、故萩原遼さんが翻訳したのでしょう。当時の日本共産党は北朝鮮を強く批判していました。
今は、非核化のために努力している国、という具合で朝鮮労働党があたかも平和勢力であるかのように評価しているようですが。
十大原則を簡単に紹介しておきます。これだけでも、最後まで声を出して読んだら頭が痛くなるかもしれません。
暗記させられたら、頭の働きが変わってきそうです。
「十大原則」を知らずして北朝鮮、在日本朝鮮人総連合会を語ることなかれ
1.偉大なる首領金日成同志の革命思想で全社会を一色化するために身を捧げて闘争せねばならない。
2.偉大なる首領金日成同志を忠誠心を持って高く奉らねばならない。
3.偉大なる首領金日成同志の権威を絶対化せねばならない。
4.偉大なる首領金日成同志の革命思想を信念にし、首領様の教示を信条にせねばならない。
5.偉大なる首領金日成同志の教示執行に際し、無条件の原則を徹底して守らねばならない。
6.偉大なる首領金日成同志を中心にする全党の思想意志的統一と革命的団結を強化せねばならない。
7.偉大なる首領金日成同志に従って学び、共産主義的風貌と革命的事業方法、人民的作業作風を持たねばならない。
8.偉大なる首領金日成同志が抱かせて下さった政治的生命を大事に守り、首領様の大いなる政治的信任と配慮に高い政治的自覚と技術でお答えせねばならない。
9.偉大なる首領金日成同志の唯一的領導の下、全党、全国、全軍を一つになって動かす強力な組織規律をうちたてねばならない。
10.偉大なる首領金日成同志におかれて開拓された革命偉業を代を継いで最後まで継承し完成させねばならない。
10番目は、南朝鮮革命、すなわち大韓民国の滅亡、朝鮮労働党による統一を金正日の代に必ず実現せよ、という意味です。
昭和49年の「十大原則」では、金正日の名前は出ていません。「党中央」という表現が、10の後に出ています。これは金正日を意味しています。
金正恩が米朝首脳会談、南北首脳会談で何をどう言おうと、金日成、金正日の「教示」「お言葉」を破ることはできません。
金正恩が核兵器を廃棄したら、「教示」「お言葉」違反です。
金日成、金正日は核軍拡を固く指令していたはずです。核兵器廃絶は「十大原則」違反そのものです。
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