志位さんが先日の日本共産党中央委員会総会で、「敵の出方論」は日本共産党が相手の出方によっては非平和的な方針を取るかのような、捻じ曲げた宣伝をされるのでこの表現を使わないと述べました。
「敵の出方論」とは、宮本顕治さんの主著「日本革命の展望」に繰り返し出てくる表現です。
「日本革命の展望」は宮本さんが日本共産党第七回大会から第八回大会(昭和36年7月)にかけて、中央委員会などで行った報告集です。
志位さんは「敵の出方論」という表現を使わないでほしいのでしょうが、日本革命の展望や第八回大会決定を破棄しよう、とは言えない。
志位さんが宮本さん批判をやったら、面倒なことがいろいろ生じるでしょう。
志位さんは昔の日本共産党の文献を内緒にするしかない。
春日庄次郎さんは日本革命の平和的移行唯一論を唱えたー宮本顕治さんは春日さんを徹底批判
第八回大会の頃、春日庄次郎さんという日本共産党の幹部が日本革命の平和的移行唯一論を唱えました。
春日庄次郎さん一派が唱えた革命理論はその後、「構造改革」と呼ばれました。後に神奈川県知知事になった長洲一二教授も、このグループに所属していました。
宮本さんによれば、日本革命の平和的移行唯一論者は社会民主主義的見地への完全な転落です。
宮本さんによれば日本共産党は、国際共産主義運動の一致した命題、モスクワ声明にもとづき、人民の側の意向だけでこの問題を決定することはできないという階級闘争の弁証法を知っています。
まわりくどい表現ですが、宮本さんはこういう空虚な言い回しが好きな方でした。要は、偉大なソ連共産党の理論を信じようという話です。
宮本顕治さんの「日本革命の展望」はソ連信仰を前提にしている
志位さんは本音では、国際共産主義運動の一致した命題、モスクワ声明などくだらないと思っているのかもしれません。
階級闘争の弁証法、などを知ったら敵の出方論者になるのでしょうね。
宮本顕治さんの主著「日本革命の展望」の大前提は、ソ連信仰でした。
日本革命、などないのです。株式市場、金融資産市場が存在する市場経済は、資本主義経済とみなすべきです。
金融資産市場を廃止したら、企業は資金調達ができません。日本共産党と同党を支援するマルクス主義経済学者は企業経営についての思考と議論をしない。
志位さんは「敵の出方論」はつまらない話だな、と本音では思っているのかもしれません。
日本共産党員は第八回大会決定や宮本さんの「日本革命の展望」を改めて読むべきではないでしょうか。
現状では、日本共産党員は宮本さんが主導した時期の大会決定を入手しにくくなっています。
宮本さんによれば、ソ連は共産主義社会の全面的建設を成功裏に進め、世界平和の強力な砦になっています。
ソ連万歳、という話です。昔の日本共産党員はこんな宣伝が好きでした。根拠など何もない。
北朝鮮が地上の楽園だ、という宣伝と同じような話です。
今の日本共産党員が憲法九条を深く信仰しているように、昔の日本共産党員はソ連を信仰していたのです。ソ連教徒が、九条教徒。
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