2021年9月4日土曜日

日本共産党はなぜ中国共産党との合意を破棄できないのかー不破哲三「党綱領の力点」(平成26年刊行)と松竹伸幸さんの提案より思う

宮本徹議員は志位さんに日中両党合意破棄を提案すべきだ

最近の日本共産党は、自分たちは中国共産党とは全く異なると宣伝しています。

宮本徹議員はtwitterの冒頭で中国共産党は共産党という名に値しない、と主張しています。

それなら、平成十年(1998年)に不破さんが主導して締結した中国共産党との合意を破棄しよう、と宮本徹議員は志位さんに提案すれば良いではないですか。

この合意が存在する限り、日本共産党は中国共産党を中国社会の変革の担い手、科学的社会主義の党とみなしている事になります。

両党関係を正常化する、とはそういう意味ですから。

日中両党合意の四より、日本共産党は人民解放軍による赤旗記者射殺について完全沈黙

合意の四には、双方は両党間に存在した歴史問題が基本的に解決したことを確認し、という記述があります。

私見ではこの合意により、日本共産党は人民解放軍による高野赤旗記者射殺について、中国共産党に謝罪や補償を求めることができなくなりました。

赤旗記者射殺について何も言えなくなったのですから、不破さんは中国覇権主義に屈服した、という批判が日本共産党内部から出てきても良さそうなものですが。

近年の志位さんは人民解放軍による赤旗記者射殺について、完全に沈黙しています。

なぜ日本共産党は中国共産党との合意を破棄できないのか

日本共産党が中国共産党との合意をいまだに破棄できない理由は以下にあると考えます。

不破さんは著書「党綱領の力点」(p126)で次のように述べています。

同じく社会主義を目指し、科学的社会主義(マルクス主義)という理論の原点は共通であっても、歴史の中で形成されてきたお互いの理論体系には二つの文明ともいうべき違いがある。

二つの文明は、異なる価値観を持った二つの文明ではない。

科学的社会主義(マルクス主義)という共通の源流に立った二つの文明である以上、大きな接近は可能だし、そこに歴史の発展的な方向がある。

それには大河の流れるような歴史的時間が必要である。

不破さんは中国共産党が建国以来、覇権主義で人権抑圧集団であることを熟知しています。

中国共産党は建国直後に、朝鮮戦争に参戦しています。これは大韓民国への侵略です。

この少し後に、人民解放軍はチベットに侵攻。奴隷制からの解放と称して僧侶を虐殺。

新疆や内モンゴルでも、中国共産党は虐殺を繰り返してきました。大躍進では、3000万人ぐらいの餓死者を出したと言われています。

中国共産党による蛮行の歴史を熟知して、日中両党は科学的社会主義という共通の源流に立った二つの文明であると不破さんは評価しました。

日本共産党幹部、職員は不破さんを公の場で批判できない

中国共産党が中国社会の変革の担い手、科学的社会主義の党である以上、大河の流れるような歴史的時間が経過すれば、国民に思想信条の自由、言論の自由、結社の自由を認め、覇権主義を放棄するだろうという話です。

大河の流れるような歴史的時間、ですから不破さんは数千年を想定しているのでしょう。

黄河文明は三千年くらい前でしょう。

三千年くらい、中国共産党は覇権主義で人権抑圧を継続するだろうと不破さんは見ているのかもしれません。

日本共産党幹部、職員は不破さんのこの歴史観を、インターネットなど公の場で批判できません。

一般党員なら、不破さんや志位さんを公の場で批判しても規約で処分されない場合もあるでしょう。

日中両党合意は、不破さんの歴史観、大局観により今日でも生きた力を発揮しているのです。

不破さんは中国覇権主義に屈服したのです。それだけの話なのですが。

松竹伸幸さんは日本共産党の党首選挙実施を主張しているがー故萩原遼さんは三役公選制を提案

松竹伸幸さんはブログで、日本共産党の党首選挙実施を主張しています。

松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba (ameblo.jp)

松竹さんによれば、日本共産党幹部内でも綱領にある自衛隊の規定について解釈の相違があるそうです。

そこで松竹さんは、日本共産党は党首選挙を実施し、議論を公開すべきと主張しています。

故萩原遼さんは著書「朝鮮と私 旅のノート」(文春文庫)で日本共産党の三役を全党員による公選制にせよと主張しました。

萩原さんはその後、不破さんを批判したことなどの理由で除籍となりました。

志位さんが松竹さんの提案を受け入れることなどありえない。松竹さんは実情を良く御存知でしょうけれど。

中国共産党が主席を党員の公選制で選出することなどありえないことと同じです。

日中両党は、科学的社会主義の党、レーニン、スターリンの思想と伝統を継承する党ですから。





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