2021年9月20日月曜日

志位さんが宮本顕治さんの主著「日本革命の展望」や第八回大会決定を内緒にしたい理由を考える

 四十年ほど前、早大生だった私は宮本顕治さんの「日本革命の展望」をしっかり読むよう、民青同盟の先輩や日本共産党職員の方に言われました。

四十年などあっという間ですが、長い歳月です。松田聖子がデビューして間もなかった頃ですから。

早大の近くに、左翼の本を扱っている古本屋がありました。

私はそこで宮本さんの本や、不破哲三さんや上田耕一郎さんが若い頃書いた本を買って熱心に読みました。

不破さんの「マルクス主義と現代修正主義」、上田さんの「マルクス主義と平和運動」などです。百円で買えたように思います。

当時の民青同盟では、宮本顕治さんの「日本革命の展望」は、マルクスの「資本論」、レーニンの「唯物論と経験批判論」と同程度の名著だという事になっていました。

日本共産党が「日本革命の展望」は名著だという宣伝をやめたのはいつだったのでしょうか。

推測ですが、宮本さんが引退した平成九年頃かと思います。

敵の出方論、は宮本さんの日本革命理論の重要部分

志位さんは、「敵の出方論」が宮本顕治さんの日本革命理論の重要部分であることを内緒にしたいと考えられます。

最近の日本共産党の、「敵の出方論」に関する見解は次です。

「議会の多数を得ての革命」の路線は明瞭/政府の「暴力革命」答弁書は悪質なデマ (jcp.or.jp) 

この赤旗記事は、宮本さんが第七回大会、第八回大会で繰り返し語った日本革命理論、敵の出方論を内緒にしています。「日本革命の展望」について一切言及していません。

本ブログでは何度もふれてきましたが、宮本さんは第八回大会で春日庄次郎さんが提起した日本革命の平和的移行唯一論を社会民主主義への転落と断じました。

志位さんはこれはまずい、と思っているのでしょう。

今の日本共産党は、革命は漸次的に改革を積み重ねていくことにより実現できるのだ、という表現をよくしています。

これは第八回大会当時、春日庄次郎さん、山田六左衛門さんや社会党の江田三郎さんらが唱えた「構造改革論」と同じです。

志位さんは第八回大会当時の「反党分子」と、結局同じになったのです。

実は反党分子が正しかった、と志位さんが認めたら、厄介な事この上ない話に発展しかねません。

宮本顕治さんが指導した時期の大会決定や文献が日本共産党のHPに掲載されない理由

民青同盟員が宮本さんの「日本革命の展望」や第八回大会決定をどこかの古本屋で仕入れて読んだら、民青同盟を指導する日本共産党職員には厄介なことになります。

民青同盟員は、志位さんは春日庄次郎さんと同じだな、と気づいてしまう。

日本革命は平和的移行しかないですよ、と言われたら、日本共産党職員はどうすれば良いのでしょう。

「それは最終的には敵の出方により決まる。君は社会民主主義に転落しているよ。モスクワ声明を読みなさい」と言うのでしょうか。

宮本さんは第八回大会でそう言っています。モスクワ声明、とはソ連共産党が作成した共産主義運動の文書です。

第八回大会の頃、宮本さんはソ連共産党を盲信していました。

こんな話になったら困るから、志位さんは宮本顕治さんが主導した時期の大会決定や文献を、日本共産党のHPに掲載しないのです。

指導部が日本共産党の文献をあまり読まないよう、一般党員や職員に誘因付けをしている。

共産主義運動は崇高な理想を掲げていますが、指導者への盲信を普及する運動でしかない。

志位さんに度胸と気概があるなら、先日の中央委員会総会で第八回大会決定を破棄するべきでしたね。

第八回大会決定を破棄しない限り、日本共産党は日本革命の平和的移行唯一論を社会民主主義への転落、と断じていることになります。

憲法九条教徒は中朝を平和勢力とみなす

宮本顕治さんの文献すらまともに読めない民青同盟員は、日本革命について思考と議論ができないでしょう。

革命について思考するより、憲法九条完全実施と叫ぶだけの九条教徒になれば自分は立派な人間だと陶酔できます。

九条教徒は安全保障、中朝の核軍事力について一切の思考と議論をしない。

九条教徒は日米安保を批判する中国共産党、朝鮮労働党を大局的には平和勢力とみなす。レーニンの帝国主義論の見地なら、そういう結論になります。

今の日本共産党議員、職員の皆さんの殆どが、宮本さんの文献など全く読んでいないように私には思えます。

日本革命の展望はありません。









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