2015年3月14日土曜日

Diane Kruger, Djimon Hounsou, Benoît Magimelの2011年仏映画「スペシャル・フォース」(原題Forces spéciales)を観ました。

Vive La France!(フランス万歳)と思わず叫びたくなる。


アフガニスタン、パキスタンでのTalibanと西側諸国の戦いを思い起こさせる映画です。フランスも軍をこの地域に派遣していたのですね。映画に基地が出てきました。

Talibanに誘拐されたフランス人女性ジャーナリストElsa(Diane Kruger)を救出するため、6人構成の特殊部隊が派遣されます。

Talibanはアフガニスタンで何をやったのか。彼らの人権蹂躙を、世界のジャーナリストはどのように報道したのか。

アフガニスタンやパキスタンに派遣された米国やフランスの兵士はどんな任務を担い、実際にどんな仕事をしてきたのでしょうか。そんなことを改めて考えさせられる映画です。

映画はTalibanの蛮行を告発していますが、彼らの中にも穏健派の指導者がいることを描いています。単純な勧善懲悪ものではありません。

フランスの航空母艦と特殊部隊が、フランス人ジャーナリスによる真実の報道を保障している


Talibanとの激烈な戦闘もさることながら、人質奪還後安全地帯まで逃げるためには4000メートル近い国境の山々を越えねばなりません。

山越えのために立ち寄った小さい村は、特殊部隊員をお客さんとして遇してくれました。その後特殊部隊を追ってきたTalibanは村人を惨殺します。

アフガニスタンではそんな現実があったのでしょう。残虐なTalibanだけでなく、過酷な自然とも特殊部隊は戦わねばならない。

北朝鮮に少なくない日本人が拉致されているのに、救出作戦など一切思考も議論もしたことのない日本はいったいどうなっているのだろうと改めて考えてしまいます。

強力なフランス軍、特に空母と特殊部隊は真実を報道するフランス人ジャーナリストの生命と人権を守るために大きな役割を果たしていると実感させられます。

自国民が凶悪集団により拉致されても、政府は座視しているだけならジャーナリストが現地に行けませんから、真実の報道など何もできなくなってしまいます。

民主主義国では強力な自国軍の存在が、勇気あるジャーナリストの真実の報道を保障するのです。

現実には、6人の特殊部隊では人質の救出は無理


ただ、見終わってから考えると、圧倒的に地の利があるTalibanに誘拐された自国民を救出するためにたった6人の特殊部隊ではあまりにもお粗末です。

6人では、装備で上回っていても多勢に無勢ですから、人質も含め全員戦死してしまう可能性が高いでしょう。実際の戦闘で勝利し人質を救出するためには火力で圧倒せねばならない。

Talibanの根拠地を可能な限り特定化し、空爆を実行せねばならない。映画では人質の処刑時間が迫っているという設定ですから、空爆をする時間的余裕がなかったということでしょう。

優秀な若き狙撃手が狙撃後に苦しい表情を見せます。狙撃手も人間ですから、気分よく射殺などできるはずもない。

「これが任務だ」という狙撃手の心の叫びは、観客への重い問いかけでもあります。Talibanとの戦いの正当性を考えさせます。正当性が疑われるような戦争を、民主主義国は継続できない。

どれだけの仏軍兵士がアフガニスタンで戦死したのでしょうか。

Benoît Magimelは爆弾の使い手を演じています。Benoît Magimelは知性ある人物をよく演じます。

Diane Krugerはドイツ人ですが、英語に堪能なフランス人女性ジャーナリストを演じています。私の耳では、彼女の英語に訛りを感じられない。

フランス人女性ジャーナリストが最後に、自分を救ってくれた特殊部隊員の救出を断固主張します。このとき、Vive la France!と叫びたくなってしまいます。

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