2015年3月16日月曜日

Micky Rourke, Marisa Tomei出演2008年米国映画「レスラー」(原題The Wrestler)を観ました。

体を酷使する仕事を選択し、家族をないがしろにしてしまった男が齢を重ねたら


体を酷使する仕事に長年従事すると、加齢とともに体が痛めつけられ、ボロボロになってしまいます。若い時に沢山稼いで、可能なら転身を図らねばならない。

体を酷使するような仕事をしている人々の間では独特の言葉使い、価値観が根付いています。

勿論、同じ業界に生きているからと言って同じ生き方を選択しているわけではない。プロレスラーを辞めて飲食業で成功した方もいます。

この映画は、体を酷使する業界で生きることを選択し、家族をないがしろにしてしまった中年男性の哀しみが感じられます。

齢を重ねれば、体が衰え病気がちになります。そのときになって家族を思い出しても、もう遅いのかもしれません。

Micky Rourke演じる主人公は、かつては頂点を極め、名声を博したが今は年老いて落ちぶれたプロレスラーです。

米国ではプロレスラーはプロモーターと試合ごとに契約をしてギャラを得る非正規労働者ですから、不安定なことこのうえない。日本でも殆どのプロレスラーはそうでしょう。

過酷なプロレス業界-客を呼ぶために技が過激化する


日本ではプロレスという業界自体が、停滞産業です。

プロレスがスポーツではなく、筋書きのある見世物であることはミスター高橋の暴露本などで明らかにされていますが、この映画でも描かれています。

試合の途中にどんな技を使い、何で終わるのかをレスラーたちは事前に決めておくのです。

レスラーとは客商売そのものですから、客が試合を見て盛り上がりまた見に行こうという気分にせねばならない。そのために、技が徐々に過激になっていくのでしょう。

レスラーの中には、試合中の事故で亡くなってしまう方もいます。日米ともに実に厳しい業界で、何とかならないのかと思うのは私だけではないでしょう。女子プロレスも同様です。

この映画でも、体を大きなホチキスで縫う反則技が出てきますが、正視し難い。落ちぶれた主人公の苦しそうな息遣いから、プロレス業界で生きている男たちの痛みと哀しさが伝わってきます。

主人公は筋肉増強剤のような各種の薬を常用していますが、これも体を痛めつけるでしょう。

人生の夕陽を見つめつつ生き抜くプロレスラーと息子を大事に育てているストリッパー


ヒロインとも言うべき存在が、Marisa Tomei演じるストリッパーです。

Marisa Tomei演じるストリッパーに主人公は惚れて接近していきますが、小学生の息子を抱えたストリッパーは彼を受け入れない。ビジネス上の付き合いだと割り切っています。

主人公には成人した娘がいます。主人公はレスラーとして頂点を極めていた時代に、娘への養育を怠っていたようです。娘が父親を父親として認めないのですから。

心臓に疾患を抱え、自らの先行きが長くないことを悟った主人公が自分の所業を反省し、娘に謝罪して父と娘の関係を再構築しようとしますが、身に染みついた性を変えることはできなかった。

愛する娘との関係再建は難しかったのです。

息子を大事に育てているストリッパーと対照的です。

人生の夕陽を見つめつつ、仲間とのジョークのやりとりで孤独を紛らわしつつも必死に生きる男を、Micky Rourkeが良く演じています。

映画の最後の場面で主人公が、心臓の発作に苦しみつつもプロレスの大技をかけます。

遠からず死を迎えるのですから、自分なりの生き方を貫ければそれで良しという覚悟でしょう。

Marisa Tomeiが演じたストリッパーの老後は、主人公のそれとはかなり異なったものになりそうです。このストリッパーは、年をとっても全てを失うことはなさそうです。

家族、血縁の大事さを改めて考えさせられます。





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