2016年6月21日火曜日

若き不破哲三氏(当時は書記局長)は中国によるベトナム侵略を強く批判した―不破哲三「時代の証言」が消した史実―

高野同志 あなたは、中国のベトナム侵略の真実を、日本共産党員として、赤旗特派員として、直接その目で確かめて、全世界に知らせるという任務をもって活動していました。(「三月七日、ランソンにて 『赤旗』ハノイ特派員高野功記者の記録」掲載の弔辞より。新日本出版社1979年刊)


今日の不破哲三氏にとって、「赤旗」記者の生命と人権より中国共産党との関係を「正常化」し、「野党外交」に乗り出すほうが大事なようです。

不破哲三氏によれば、アジアでは中国の存在が大きく、中国との関係断絶のままでは相手側も対応に困るそうです(「時代の証言」中央公論新社、p194より)。

そこで中国との関係に決着をつけて不破氏は「野党外交」に乗り出したとこの本で述懐しています。

日本共産党が中国共産党と関係を正常化するなら、中国人民解放軍が「赤旗」記者高野功氏を射殺したことを認めさせ、しかるべき謝罪と償いをさせるべきではないでしょうか。

「時代の証言」や最近の著作には、中国人民解放軍の凶弾に倒れた高野功「赤旗」記者の話は一切出てきません。

日本共産党は「赤旗」記者の生命と人権より中国共産党との関係「正常化」の方が大事と判断したのでしょう。素顔の不破哲三氏は徹底した実利主義者なのでしょうね。

こんな姿勢では、中国人民解放軍には「赤旗」記者を射殺する権利があると日本共産党が認めたようなものです。

今日の聴濤弘氏はなぜ中国人民解放軍による「赤旗」記者射殺について沈黙しているのか


聴濤弘氏(日本共産党元参議院議員)も最近の著書や論文で中国問題を論じる際、中国人民解放軍による「赤旗」記者射殺事件について完全に沈黙しています。

聴濤弘氏がこの事件を知らないはずがない。聴濤弘氏は不破哲三氏の狙いを推し量って沈黙しているのでしょう。

私は本ブログで何度も、日本共産党が中国覇権主義に完全に屈服したと断言してきました。仲間が殺されても黙っているような組織と人間は、どこかおかしくないでしょうか。

共産党とは、実利主義者の集合体なのかもしれません。

吉良よし子議員ら若い共産党員は中国人民解放軍に「赤旗」記者が射殺されたことを一切御存知ないでしょう。

しかしこの事件の当時の日本共産党は、中国によるベトナム侵略を強く批判していました。「三月七日、ランソンにて」には、高野功氏の葬儀での不破哲三氏による弔辞が掲載されています。

若き不破氏は弔辞で中国によるベトナム侵略と中国人民解放軍の蛮行を強く批判しています。

「野党外交」を進めるためには、この事件を人々の記憶から消していかねばと今日の不破哲三氏は判断したのでしょう。

共産主義者は歴史を宣伝材料にする


共産主義者にとって、歴史は宣伝材料なのです。

吉良よし子議員ら若い共産党員や、在日本朝鮮人総連合会で働く皆さんには、日本共産党や朝鮮労働党の昔の文献をきちんと読むことをお勧めします。

朝鮮労働党の昔の文献には、「白頭山三代将軍」など一切出てきません。金日成の二番目の妻金聖愛の論文が、「月刊朝鮮資料」1971年11月号に掲載されています。

この方、今はどうされているのでしょうね。脱北者が得た情報によれば、亡くなっているらしい。

金日成民族は「民族の太陽」金日成の奥様の老後について無関心なのでしょうか。金正日が愛した女性たちのその後についても、金日成民族は無関心なのでしょう。

「全社会の金日成・金正日主義化」とは一体何なのでしょうか。私には不気味なことこのうえありません。

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