2016年7月12日火曜日

上田耕一郎氏の自衛隊即解散論「自衛隊については、対米従属、国民にたいする弾圧、憲法違反の軍隊としてただちに解散すべきと共産党は主張しています」より思う(「先進国革命の理論」大月書店昭和48年刊行、p268)

もう一つの重要な点は、反動的国家機構の変革にあたって、決定的な役割を果たすのが軍事的=官僚的機構を粉砕するという革命的課題だということである。(不破哲三「国家独占資本主義における修正主義」、「前衛」1963年3月号、4月号掲載論考より抜粋)。


一昔前の日本共産党は、自衛隊は直ちに解散させるべきだと大真面目に主張していました。

共産主義理論によれば自衛隊は「反動的国家機構」の軍事的=官僚的機構の中心ですから、粉砕せねばならないのです。若き不破哲三氏は「前衛」掲載論文でそう断言していました。

自衛隊を即解散もしくは粉砕せねばならないですから、防衛費を「人を殺すための予算」と共産主義者が断言するのは当然です。藤野保史議員は共産主義理論を良く学んでいる。

故上田耕一郎氏は、不破哲三氏の実兄です。御二人とも東京大学出身で、この世代の日本共産党の代表的理論家でした。

御二人の共著「マルクス主義と現代イデオロギー」(昭和38年大月書店)や、不破哲三氏の「マルクス主義と現代修正主義」(昭和40年大月書店)、上田耕一郎氏の「マルクス主義と平和運動」(昭和40年大月書店)、「先進国革命の理論」を読まずして、日本の共産主義運動を語ることなかれ、と私は言いたいですね。

上田兄弟の一昔前の著作では、共産主義理論の原理論ともいうべき革命理論、国家論から政策や戦争論を説いています。

吉良よし子議員は読書好きだそうですが、これらは読んでいないでしょうね。革命理論を知らない方が、共産党の国会議員をやっているなら国民を愚弄しているとしか私には思えません。

今日の日本共産党も、「国民の合意」さえあれば、中国や北朝鮮による日本侵略の危険がどうであれ、自衛隊を直ちに解散するのでしょう。

上田耕一郎氏の「核抑止論」-ソ連の核兵器は防衛的


上田兄弟は共産主義理論の術語を巧みに用いて、自衛隊解散論を全力で国民に普及していました。

昭和48年の「先進国革命の理論」では、「民主連合政府とその政策」という一問一答形式の論考で上田耕一郎氏は自衛隊を直ちに解散すべきと断言していました。上記はその一部です。

上田耕一郎氏によれば、日本の安全はどこかから侵略される危険というよりも、日本がアメリカの侵略の手先になるとか、日本自身がアジアの諸民族に侵略戦争を仕掛ける危険により一番脅かされているそうです。

上田耕一郎氏はソ連の核兵器が米帝国主義の戦争政策から世界平和を守る抑止力になっているという「核抑止論」を著書「マルクス主義と平和運動」で唱えました。

若き不破哲三氏は自衛隊粉砕論を主張した


共産主義理論によれば戦争を起こすのは帝国主義です。搾取制度を廃止した社会主義国であるソ連や中国、北朝鮮は平和陣営、三大革命勢力の一つです。

平和陣営、三大革命勢力の北朝鮮が日本や韓国に戦争を仕掛けたり、潜水艦や工作船、武装ゲリラを派遣してテロや拉致を行うことなど絶対にありえない、そんな話になっていたのです。

共産主義理論では、共産主義国は平和陣営です。「革命戦争」という「理論」もありそうですが。

ソ連軍による満蒙開拓民への残虐行為を、上田兄弟の世代の日本人ならよく知っていたはずなのですが。

共産主義国の現実を調べて、それがどういう仕組みにより成立しているのかという実証的思考が、上田兄弟にはできなかった。できないというより、あえてしなかったのかもしれません。

宮本顕治氏は共産主義国に対する実証的思考が全くできない方でした。

共産主義者の「分析」手法はマルクスやレーニン、スターリン、毛沢東や金日成の本を読んで術語を並べ、共産党の決定や決議により正当性を主張するだけです。

若き不破哲三氏が力説するように、日本革命のためには「軍事的=官僚的機構」の粉砕がどうしても必要です。自衛隊は「軍事的=官僚的機構」の中心ですから、粉砕する以外ないのです。

「粉砕」という語が具体的に何を意味しているのか、この論文では何も記されていません。要は、政権を握ったら問答無用で直ちに自衛隊を解散することなのでしょう。

自衛隊粉砕とは、政府の命令により解散させるか、それができなければ自衛隊の装備を大幅に削減し壊滅的な打撃を与えてしまうことなのでしょう。

今日の日本共産党も自衛隊の装備の大幅削減を主張しています。この意味を、少し考えてみましょう。

北朝鮮の武装工作員が日本に潜入し、生物・化学兵器で大規模テロを断行したら...


北朝鮮の武装工作員が日本国内に潜入し、生物・化学兵器による大規模なテロを断行し、とんでもない数の犠牲者が出てしまったら日本政府はどうすべきなのでしょうか。

日本共産党はきっと、「六か国協議緊急開催を呼びかけるべきだ」「外交ルートで抗議すべきだ」という類の主張をし、日本が北朝鮮へ反撃することに全力で反対するでしょう。

不破哲三氏ら日本共産党最高幹部は、昭和43年1月の「青瓦台事件」(北朝鮮が武装工作員をソウルに侵入させて韓国の朴大統領暗殺を企図した事件)の経緯をよく知っています。

従って不破哲三氏は、北朝鮮が「日本はわが共和国の自主権を侵害した」などという理屈で日本に対し、大規模なテロを実行する可能性があることを熟知しています。

自衛隊の装備を今から大幅に削減しておけば、大量の犠牲者が出ても日本政府は北朝鮮に一切反撃できません。自衛隊が敵基地攻撃能力をなくしたら、反撃不能です。

警察の装備(ライフルと拳銃程度)で北朝鮮に反撃できるはずがない。

共産主義者の狙いは、共産主義国からの攻撃に対し、資本主義日本が反撃不能の状態にすることです。

共産主義者は、帝国主義(米日)と共産主義国(中国、北朝鮮)が対決した場合、共産主義国が勝利するようにあらゆる宣伝を行い、帝国主義側の国民が武装解除に同意するように努力します。

自衛隊が北朝鮮に反撃する能力を持っていなければ、北朝鮮は気軽にテロをできる


自衛隊に北朝鮮への反撃能力が一切なければ、北朝鮮は日本に対して気軽にテロや生物・化学兵器攻撃をできる。

北朝鮮の武装工作員が来襲しても、警察の装備では勝負になりません。警察官が北朝鮮の武装工作員を逮捕するべく接近したら、殉死者が続出してしまう。

自衛隊が戦車を出動させても、武装工作員が市民を人質に取り、市街地にたてこもったら何もできないかもしれません。

武装工作員を殲滅するため自衛隊の戦車が公道を走れば、道路交通法違反で自衛隊員が逮捕されてしまうかもしれません。戦車を警察のパトカーが先導するのでしょうか?

パトカーが武装工作員のロケット砲で吹き飛ばされてしまいます。

自衛隊が北朝鮮武装工作員を殲滅するために市街戦を行うのは、現在の法では困難です。自衛隊による私権の制限が殆ど認められていませんから。

腹が立ちますが、現状では北朝鮮武装工作員のやりたい放題になってしまう可能性があるのです。村上龍「半島を出よ」(幻冬舎)は絵空事ではない。

不破哲三氏は北朝鮮が強力な特殊部隊を持っていることを昭和43年くらいから熟知していた


宮本顕治氏、不破哲三氏は北朝鮮が強力な特殊部隊を持っていることを、48年くらい前から熟知していました。「北朝鮮覇権主義への反撃」を読めば明白です。

それにも関わらず、日本共産党は自衛隊即解散を長年主張してきました。北朝鮮によるテロを側面から支援するためとしか私には思えない。

米国、日本と北朝鮮が対決した場合、北朝鮮が勝利するように努力するのが、共産主義者なのです。第一次世界大戦でレーニンは、自国ロシアの敗北を望みました。

自国が共産主義国との戦争に負ければ、社会不安が高潮し革命的情勢が到来しうる。「帝国主義戦争を内乱に転化せよ!」はレーニンの教えです。

自衛隊即解散、粉砕は日本共産党の悲願です。「防衛費は人殺しのための予算だ」と主張した藤野保史議員は、若き上田耕一郎氏、不破哲三氏とレーニンからよく学んでいるのでしょう。



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