「私が在住する横浜市でも似たような『事件』があった。北朝鮮で逮捕された人は帰国同胞でなく、短期の祖国訪問団で北朝鮮を訪れた商工人である。
帰還者の生活をつぶさに見て、やりきれなかったのであろう。酒を飲んだ勢いで、同行の人たちに北朝鮮を批判する話をした。
それが『案内員』の聞くところとなり、彼は『国家反逆罪』で逮捕され、留置場に送り込まれた。
彼の兄は神奈川県でも有数の総連系商工人で、何軒ものパチンコ屋や、不動産屋を経営していた。
弟の逮捕監禁を知らされた兄は北朝鮮に渡り、何度か北朝鮮当局に釈放嘆願書を出したが、なかなか聞き入れられず、やがて総連中央の紹介で党幹部と面談し、
億単位の金を「献金」することで弟は釈放されたが、弟は日本に還ることは許可されず、北朝鮮に止め置かれ、肉親とは切り裂かれた状態のままである。」(同書p103より抜粋)
この本の著者金賛汀氏は、奥付によれば昭和12年京都生まれで朝鮮大学校の卒業生です。60年代末には総連系雑誌社の編集記者として働いていたそうです(同書p5)。
この本には、在日本朝鮮人総連合会内部で長年活動してきた著者だからこそ得られた貴重な情報がたくさん出ています。
その一つが、上記の北朝鮮を訪問した神奈川県の朝鮮商工人逮捕・抑留事件です。
北朝鮮の体制批判は「民族反逆罪」-留置場から出すためには億単位の献金が必要
この商工人は北朝鮮の体制を批判したのでしょうから、「民族反逆罪」という重罪を犯していることになります。
「留置場」ということですから、政治犯収容所まで連行されてはいなかったのでしょう。お兄さんが朝鮮労働党に億単位の献金をしたことで、何とか留置場から出られたそうです。
この類の話を、私は別の在日朝鮮人から伺ったことがあります。察するに、朝鮮労働党側は訪朝した朝鮮商工人の言動を報告するよう、「案内員」に命じていたのではないでしょうか。
「民族反逆罪」などにしてしまえば、相当額の金が得られることを予想していてもおかしくない。国家安全保衛部なら、それくらいのことをしてもおかしくない。
北朝鮮社会では、金があれば何でもできるといっても過言ではない。日本の親族からの仕送りを得られない元在日朝鮮人はどん底の生活をするか、自分で商売をして外貨を得るしかない。
朝鮮労働党幹部が実行する「外貨稼ぎ」の一つが、在日朝鮮人への脅迫なのです。特に、裕福な朝鮮商工人が狙われやすい。
朝鮮労働党、国家安全保衛部は朝鮮商工人を狙う
この本には、北朝鮮でビール工場を建設したが、朝鮮労働党にその工場を乗っ取られてしまった商工人の話も出てきます(同書p110-112)。数十億円程度の工場だったそうです(p112)。
この商工人は御堂筋に高級ホテルを開業したそうです。用地買収や経営運営資金として700億円もの融資を金融機関から受けました。
融資した金融機関の一つが、足利銀行でした(同書p112)。
私はこの商工人はもしやあの方では?と思えてならないのです。大阪の高級ホテルの経営者で、足利銀行から巨額の資金を借りていた商工人はそう多くない。
この商工人は、「護憲」で有名だった政治家(故人)とも人脈があったと伺っています。
この商工人も、ある元在日朝鮮人(帰国者)が何らかの「罪」を着せられそうになったとき、いろいろ尽力したそうです。
それやこれやで、結局その商工人は財産を失ったと私はある在日朝鮮人から伺いました。
在日本朝鮮人総連合会の皆さんの中には、この類の話が実に多いのです。
左翼政治家・運動家は朝鮮労働党による在日朝鮮人脅迫の歴史を直視すべきだ
「ヘイトスピーチ反対」などと叫ぶ左翼政治家や運動家は、朝鮮商工人や北朝鮮に帰国した親族を持つ在日朝鮮人が国家安全保衛部(今は保衛省)に脅迫されてきた歴史を知らないのでしょうか。
うすうす知っていても、「運動の邪魔になる」といった判断から北朝鮮による蛮行の歴史を見て見ぬふりをしている左翼政治家、運動家があまりにも多い。
何のための「運動」なのでしょうね。そういう左翼政治家や運動家は、在日韓国・朝鮮人を利用しているだけではないでしょうか。
何でもいいから、日本国家と日本人を貶めることができればそれでよい、という「運動」など妄動、策動の類でしかありません。
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