2017年1月29日日曜日

仏映画「彼女の名はサビーヌ」(原題Elle s'appelle Sabine)を観ました。

仏女優Sandrine Bonnaireが監督として、自閉症(autism)の妹を少女期から撮ったドキュメント。


正直に言って、重苦しい映画でした。

少女期のSabineと現在のSabineの容貌、表情がかなり違うのです。かなり悪化してしまったとしか思えない。

「悪化」とは、病について使われる言葉ですが自閉症は生来の障害ですから、そのような語が適切かどうか、私にはわかりません。

少女期のSabineは少し変わった女の子というくらいでした。家族とNew Yorkに行ったときの生き生きとした表情が心に残ります。

30代後半で今は施設にいるSabineは、うつろな目で何度も姉に「明日また来てくれるの」と問いかけ、時に粗暴な態度さえとります。

運動不足のためなのか、Sabineはかなり太っています。この施設に入所している方は太り気味の方が多いようです。薬の影響もあるのかもしれません。

親兄弟と社会はどう対処すべきなのか


施設には、30歳くらいの男性も入所しています。この男性は癲癇も患っています。

自閉症の方は癲癇を患うことが多いらしい。

男性のお母さんが、間違ってこの男性のための薬を飲んでしまったとき、長時間眠ってしまったそうです。お母さんは息子の病の重さに改めて気づいたと語っていました。

お母さんは息子にすまないという気持ちでいっぱいだそうです。

親や周囲の対応で自閉症や癲癇の症状を緩和できる場合もあるのでしょうが、難しい場合もあるのでしょう。

脳の異常に起因しているのですから。すまない、ごめんなさいという問題ではなさそうです。

こうした施設に入所すると、かなりの費用がかかるのではないでしょうか。通常、親は子どもより早く亡くなります。その後、残された子供はどうなるのでしょうか。

映画の最後の方で、Sabineが、以前New Yorkに行った時の映像を見て泣き出すシーンがあります。Sabineは何を思い出していたのでしょうか。

自閉症の症状は千差万別である旨、映画にも出てきます。何とかならないのかと思わずにいられません。

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