2020年9月1日火曜日

白井聡氏(京都精華大学)の松任谷由実さんは「醜態をさらすより、早く死んだ方がいいと思いますよ」より思う

 「荒井由実のまま夭折すべきだったね。本当に、醜態をさらすより、早く死んだほうがいいと思いますよ。ご本人の名誉のために」

(白井聡氏の8月29日Facebookより。9月1日にFacebook上で白井氏は謝罪)。

松任谷由実さんに対する上記の発言は、安倍総理の辞任表明に対し、松任谷さんがテレビで会見を見ていて泣いた旨、発言したことによると考えられます。

白井聡氏のこの発言について、橋下徹さんがtwitterで早くから問題視し、インターネットで沢山の方々が論じています。

赤の他人に対して早く死んだ方がいい、は批判とは言い難い。

批判と誹謗中傷をどんな基準で区別するのかは難しい問題ですが、私にはこれは誹謗中傷と思えます。

社会通念上、赤の他人に対して早く死んだ方がいい、と発言するのは誹謗中傷ではないでしょうか。

レーニン主義者は安倍内閣の支援者を「低能」「腐り果てている」「吸血鬼」とみなす

白井聡氏はレーニン主義の立場から科学的社会主義の政治学を研究する方として著名です。

レーニン主義の白井聡氏が、松任谷由実さんを「人民の敵」「富農」または「低能」「腐り果てている」と認識していると考えるとわかりやすい。

白井聡氏の言論活動について私は、twitterや本ブログで疑問を提起してきました。

本ブログでは6月に、白井聡氏のある芸能人に対するクソ野郎論について論じています。

去る8月29日にも白井聡氏はtwitterで、「何で森友が大事なの?もっと大事なことがあるだろう!」という方の問いかけに対し次のように答えています。

「もっと大事なこと?たくさんあるよ。例えば、あんたのような低能がこの国にウジャウジャいること、とか」。

これらから考えると、白井聡氏は安倍内閣を支持する方々を「低能」「腐り果てている」とみなすと考えられます。

ロシア革命の頃レーニンは、農民を富農、中農、貧農と区分し、富農は労働者階級の権力、ボリシェヴィキの敵と規定しました。

レーニンによれば富農は血を吸う者、吸血鬼、人民の略奪者、飢えでもうける投機者だそうです(「労働者の同志諸君!最後の決戦に進もう!」レーニン全集第28巻所収、大月書店)。

富農を容赦なく抑圧しすることこそ、労働者階級の綱領だそうです。

白井聡氏の松任谷由実さんは「早く死んだ方がいい」論は、レーニン主義の見地から科学的社会主義の政治学を探求する方なら当然、導かれる結論といえそうです。

レーニン主義者には松任谷由実さんが「富農」「吸血鬼」のように把握されるのでしょうから。

労働者階級により容赦なく抑圧されるべき存在、という話です。

白井聡氏は上田耕一郎氏の「先進国革命の理論」を読むべきだ

勿論、科学的社会主義の政治学者なら必ず松任谷由実さんは「早く死んだ方がいい」と発言するわけではない。

レーニン主義者でなく、アントニオ・グラムシの研究をしている方ならこんな発言はしないでしょう。

イタリアの共産主義者、アントニオ・グラムシは発達した資本主義国の革命は陣地戦である、と論じました。

グラムシによれば、ロシアのように字を読めない農民が人口の圧倒的多数を占める国では、レーニンが実行した機動戦、少数者による武力革命は有効でした。

しかし人口の多数が知識と教養を備えている西欧では、支配階級はイデオロギー宣伝により労働者の同意を得て支配している。

選挙で、資本家階級の利益を代表する政治家が労働者に支持されて当選し、権力の座についている。

労働者が資本家に支配されることに同意しているのだから、これを地道な宣伝と思想闘争により打開せねば、革命などできない。

故上田耕一郎氏は「先進国革命の理論」(大月書店刊行)、「現代日本の社会主義への道」(新日本出版社)などでグラムシを引用しつつ概ねこのように論じました。

白井聡氏が先進国革命を志しているなら、安倍自民党を支持している庶民を罵倒したら庶民から嫌がられ、革命運動を後退させることに気づきそうなものです。

白井聡氏は、昔の日本共産党幹部による革命理論の本など全く読まないのかもしれませんね。

日本共産党を支援する知識人なら、昔の日本共産党幹部の著作を読むぐらいの知的営みをすべきではないでしょうか。




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