2014年12月27日土曜日

米国Sony Pictures製作「The Interview」は金正恩の命運を左右しうる

中国朝鮮族、脱北者は米国映画「The Interview」をCDやUSBに保存して北朝鮮国内に持ち込む-北朝鮮社会の首領神格化を崩すきっかけになりうるー


欧米や日本、韓国の普通の政治家なら、映画で自分がどのように表現されていようともさほどの問題ではないはずです。

とんでもない誹謗中傷の記事を週刊誌等に出されたりした場合、名誉毀損に訴える政治家はいるでしょうが、それ以上でもそれ以下でもないはずです。

しかし、北朝鮮社会の「政治家」はそうではない。米国映画「The Interview」は北朝鮮の独裁者金正恩を喜劇化した内容のようです。

「喜び組」らしき女性たちの下着姿なども出てくるようです。映画の最後で、金正恩は爆殺されてしまうらしい。

架空の人物ならまだしも、金正恩は実在の人物ですからこれはひどいと私も思います。

しかしその映画を上映するな、上映すれば報復するぞなどと言うのは明らかに常軌を逸しています。度量のある政治家なら、自分を喜劇化した映画を苦笑いして無視するでしょう。

北朝鮮社会では金日成、金正日そして金正恩が神格化されているー「党の唯一思想体系確立の十大原則」


北朝鮮社会についてよくご存じない方々は、なぜ北朝鮮当局がこの映画の上映を何としても阻止したいのかわからないでしょう。

北朝鮮では「党の唯一思想体系確立の十大原則」により、金日成、金正日、そして金正恩が神格化されています。

金日成の「教示」、金正日の「お言葉」、金正恩の指令を全国民は絶対に実行せねばならない。

金日成、金正日、金正恩を普通の韓国人は勿論、全世界の労働者、人民が心から敬愛していると北朝鮮当局は宣伝しています。

これが虚偽宣伝であることに気づいた北朝鮮の人々は脱北してしまうか、金正恩と朝鮮労働党に激しい反感を抱きつつ耐え忍んで北朝鮮社会で生きていくしかない。

金正恩に激しい反感を抱いている北朝鮮の人々は少しずつ増えているでしょう。

しかし敬愛までしてなくても何となく「党の指令」に従っている人々のほうが多数派ですから、北朝鮮社会がそのまま持続しているのです。

在日本朝鮮人総連合会の皆さんが作っている在日朝鮮人の小社会でも同様です。朝鮮学校でも、「党の唯一思想体系確立の十大原則」は不可侵です。

全体主義社会に生きる人々には人生の「選択肢」がわからない


米国映画「The Interview」を北朝鮮の人々が見れば驚愕するでしょう。金正恩の暗殺など、北朝鮮の一般国民には想像を絶すします。

一般に、全体主義社会に生きている人々には人生の「選択肢」がわからないのです。いつでも「党の指令」に従っていさえすれば万事良し、という社会ですから。

金正日の女性関係、家族関係を話題にしただけで「管理所」という政治犯収容所に、国家安全保衛部により家族もろとも連行されてしまうのが北朝鮮社会なのです。

横田めぐみさん、有本恵子さん、増元るみ子さんら被拉致日本人を救出するためには、北朝鮮の人々の金日成、金正日、金正恩への忠誠心を弱体化させねばならない。

忠誠心がなくなれば、金正恩の「指令」「お言葉」など誰もまじめに実行しなくなってしまいます。

国家安全保衛部(中国の国家安全部や旧ソ連のKGBに相当する組織)の人間が映画「The Interview」を見ればどうなるでしょうか。

「首領冒涜罪」を犯した「民族反逆者」を逮捕して政治犯収容所に連行する仕事にまじめに取り組まず、賄賂で大目に見るようになるかもしれません。

そのとき、賄賂工作による被拉致日本人救出が現実味を帯びてくるはずです。

慢性的な栄養失調に苦しむ朝鮮人民軍兵士が映画「The Interview」を観たらどう思うでしょうか。朝鮮労働党に激しい反感を抱き、少しの賄賂で脱北者を見逃すかもしれません。

脱北者や中国朝鮮族の商売人は、さまざまな経路で北朝鮮にこの映画をCDやUSBに保存して運ぶでしょう。

朝鮮語の字幕をつけるまで多少の時間がかかるでしょうが、どういうわけかこういう映画は北朝鮮社会でかなりの価格で売れるそうなのです。

中国朝鮮族により映画のCDやUSBが北朝鮮に運ばれ、朝鮮労働党幹部が高価でも買う


ある脱北者によれば、北朝鮮社会で米10キロを買えるぐらいの価格でこの映画のCDやUSBが流通するのではとのことです。

米10キロといえば北朝鮮社会では相当な貴重品ですから、労働党幹部しか買えないでしょう。

買った労働党幹部はCDを誰かに貸して外貨を稼ぐのでしょう。「水は上からにごる」というようなことわざが朝鮮語にあるようです。

拉致問題対策本部への要望ー藤本健二氏「金正日の料理人」を連続ドラマ化し、海外衛星放送で放映すべきだ-WAXに主題歌を!


日本政府は、藤本健二氏の諸著作を連続ドラマ化し、海外衛星放送で放映するべきです。ドラマの主題歌を韓国の実力派人気歌手WAXに歌ってもらったらどうでしょうか。

藤本さんの著作は基本的に事実でしょうが、「苦難の行軍」期に金正日が贅沢三昧をしていたことなど北朝鮮の人々には想像を絶するのです。

金正日の女性関係をドラマ化し、その女性たちが抱いていたであろう金正日への想いを韓国歌手に歌ってもらいましょう。良いドラマになります。

拉致問題対策本部の潤沢な予算を、日本国内のコンサートに使っても北朝鮮にはほとんど関係がない。このくらいのことを拉致問題対策本部に進言できる政治家はいないのでしょうか。

金正日が周囲にはべらせていた「喜び組」はその後どうなったのか


なお、現実の金正恩の周囲に「喜び組」のような女性たちがいるのかどうか、わかっていません。

金正日の周りにそういう女性たちがたくさんいたことは間違いないのですが、その方々が金正日の死後、どうなっていったかはわからないのです。

「秘密保持」のためにどこかへ追いやられてしまったのかもしれません。

政治犯収容所送りになっていなければよいのですが。

韓国で従北政党が解散させられましたが、対南工作機関の幹部とその家族が政治犯収容所送りになる可能性があります。

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