2016年11月25日金曜日

レーニン「帝国主義戦争の内乱への転化というスローガンについて」(レーニン全集第41巻、大月書店昭和42年刊行、p421掲載)より思う

唯一の正しいプロレタリア的なスローガンは、現在の帝国主義戦争の内乱への転化ということである。...(途中略)このような戦術だけが、新しい歴史的時代の諸条件にふさわしい、労働者階級のほんとうに革命的な戦術となるであろう。」(前掲書より抜粋。この手稿は1914年9月以降に執筆、と出ている)


上記のようにレーニンは、「帝国主義戦争の内乱への転化」が「ほんとうに革命的な戦術」「唯一の正しいプロレタリア的なスローガン」と規定しました。

戦前の日本共産党が金科玉条としていた「32年テーゼ」は、レーニンのこの規定を継承しています。内乱を起こせ!というのですから、武装闘争、暴力革命です。

若い日本共産党員の皆さんは、日本共産党は戦前、戦後のどの時期でも、正規の方針として暴力革命の方針を採用したことはないと本気で信じているのでしょうか。

若い日本共産党員の皆さんは、レーニン全集を全く読まないのでしょうか。レーニンの革命理論や「32年テーゼ」について、何も知らないで日本革命ができると本気で考えているのでしょうか。

共産党員であることに気概と誇りを持っているなら、一昔前の日本共産党の文献を図書館などで探して読み、それらとレーニンの「革命理論」の関係について思考すべきではないでしょうか。

在日本朝鮮人総連合会の皆さんが、金日成の「すべての力を祖国の統一独立と共和国北半部における社会主義建設のために―わが革命の性格と課題に関するテーゼ」(1955年4月)を知らなかったら、自分が金日成民族の一員であるなどと言うべきではありません。

同様に、日本共産党員が「32年テーゼ」を一切知らず、関心もないなら革命家とは言えないでしょう。

小林栄三氏は「32年テーゼ」を「戦前の最後の綱領的到達点」「革命運動の進むべき道をしめす画期的な指針」と評価した


小林栄三監修「科学的社会主義下」は「32年テーゼ」を「戦前の最後の綱領的到達点」「わが国の革命運動の進むべき道をしめす画期的な指針」と高く評価しています。

この本によれば、「32年テーゼ」は1932年5月に片山潜、野坂参三、山本懸蔵らが参加しコミンテルン(世界共産党)で決定されました。

この本はなぜか、32年テーゼが明記している「帝国主義戦争を内乱に転化せよ」について沈黙しています。

日本共産党の最高幹部の一人だった小林栄三氏はレーニンの論文や手記についてはあまり関心がなかったのかもしれません。

クーシネンら当時の世界共産党幹部は、レーニンの教えに依拠して日本共産党が内乱を起こす方針を作成しました。

「32年テーゼ」を受け取った宮本顕治氏ら当時の日本共産党中央幹部はこれを活動の指針としました。

「革命的階級は、自国政府の敗北を願う」-「32年テーゼ」は日本共産党員の思考方式に影響を与えている


吉良よし子議員、朝岡晶子氏ら若い共産党員の皆さんには信じがたいことでしょうが、「32年テーゼ」には、次の記述があります。

「帝国主義戦争の内乱への転化を目標とする日本共産党は、戦争の性質に適応してそのスローガンを掲げ、反戦活動を行わねばならぬ。」

「革命的階級は、反革命的戦争の場合には、ただ自国政府の敗北を願うばかりである。」

コミンテルン(世界共産党)が当時の日本共産党に与えた任務は、「反戦活動」から内乱を起こし、日本政府が敗北するように仕向けることだったのです。

科学的社会主義の国家論によれば日本政府は「帝国主義政府」「階級的支配のための暴力装置」です。

日本が行う戦争は全て「反革命的戦争」「海外侵略」です。自衛隊は、「支配階級のために奉仕する暴力装置」です。

中国人民解放軍が尖閣諸島に本格侵攻するとき、海上保安庁の巡視船は沈没させられる


科学的社会主義の国家論から考えれば、中国人民解放軍が尖閣諸島に本格侵攻した場合、日本共産党員が自衛隊、海上保安庁の敗北を願ってもおかしくない。

海上保安庁の装備で中国人民解放軍に勝てるはずがない。潜水艦の魚雷で巡視船は沈没させられてしまいます。巡視船に乗っている海上保安庁職員は全員殉死してしまいます。

巡視船でどうやって潜水艦とたたかえというのでしょうか。物事を真面目に考える人なら、自衛隊が直ちに出動し中国の潜水艦と交戦するしかないことがわかるはずです。

海上保安庁の職員の生命と人権について、日本共産党員は一切思考できない。

日本共産党は自衛隊が中国人民解放軍と交戦するための装備充実を「軍拡の悪循環」と徹底批判しています。

自衛隊の装備が中国人民解放軍のそれを上回っているなら、交戦しても中国人民解放軍が負けます。それを事前に予測できないほど、中国共産党は愚かではない。

自衛隊が中国人民解放軍の戦艦や潜水艦、そして中国人民解放軍の出撃基地を徹底破壊できる装備を保持することにより、尖閣諸島侵攻を未然に阻止できるのです。

自衛隊が巡航ミサイルを大量保有し、さらに爆撃機を持てば抑止力の向上になります。日本共産党員が「憲法九条は宝だ」と呟いても、中国人民解放軍には何の影響もない。

中国共産党が行う戦争は「革命的戦争」であるという発想がどこかにあるのでしょう。日本共産党は中国人民解放軍の大軍拡については沈黙しています。

「32年テーゼ」は今でも、日本共産党員の思考方式に影響を与えています。

「とことん共産党」で「帝国主義戦争を内乱に転化せよ」の具体化について徹底討論を!


何度でも言います。内乱は暴力革命です。内乱は、「議会の多数を得ての革命」と無縁です。

議会で「内乱を起こしましょう」と日本共産党員が演説して、武装蜂起する議員が昔も今もいるでしょうか。

「内乱」を実際にどうやって、いつ起こすかについては「32年テーゼ」は何も述べていません。

「内乱」と称して、クーシネンらコミンテルン(世界共産党)幹部は何かの折に、日本共産党員に日本政府の要人を狙ったテロをやらせようと策していたかもしれない。

「とことん共産党」で「帝国主義戦争を内乱に転化せよ」のための具体策、その現実性について、小池晃書記局長、吉良よし子議員、朝岡晶子氏が徹底討論されたらいかがでしょうか。

市川正一氏の「日本共産党闘争小史」を吉良よし子議員はご存じなのか


市川正一氏の「日本共産党闘争小史」(昭和29年大月書店刊行、p182)によれば、労働者と農民は勝利を得るためには武装し暴力によって資本家権力とたたかわねばならぬことを知りました。

帝国主義戦争の悲惨からまぬがれるためには、日本共産党の指導のもとに大衆的な武装蜂起をもって公然と資本家・地主の国家権力と武力闘争をなし、労働者・農民の日本ソヴェト権力を樹立せねばならない、と市川正一氏は公判で訴えました。

獄中にいた市川正一氏が、「32年テーゼ」を知りえたかどうか私にはわかりません。

吉良よし子議員、朝岡晶子氏ら若い日本共産党員が、武力闘争が戦前の日本共産党の正規の方針だったことを否定するなら、市川正一氏の決死の訴えを「個人的見解」「個人を党の上においた」と一蹴すべきです。

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