2022年3月29日火曜日

志位さんは日本の平和と安全を脅かす国は存在しないと信じているー日本共産党第22回大会に対する中央委員会報告よりー

日本共産党議員、職員の皆さんのtwitterや赤旗記事を見ると、近年の日本共産党は絶対平和主義者の政党ですね。

日本共産党の政策委員会に長くお勤めだった松竹伸幸さんがブログでそのように評価しています。

 野党政権と共産党綱領の諸問題・12 | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba (ameblo.jp)

松竹伸幸さんが定義している絶対平和主義とは、軍事に関わることは全て反対、全て外交だけで解決できるという思考です。

山添拓議員、吉良よし子議員の下記の呟きは、絶対平和主義の立場と考えられます。


山添拓議員は、軍事力による平和は幻想だと断言しています。

中朝露の核軍事力と日本への攻撃意図がどうあれ、自衛隊解散と日米安保廃棄以外に日本の平和は実現できないという見解でしょう。


吉良よし子議員は、軍事には軍事、核には核などの力の論理は、プーチンと同じ思想だと断言しています。

吉良よし子議員は、ロシア軍と戦っているウクライナ軍兵士の方々はプーチンと同じ思想だとお考えなのでしょう。軍事には軍事、という論理で戦っているのですから。

絶対平和主義ともいえる今の日本共産党の平和理論は、昔の日本共産党の平和理論と異なっています。

宮本顕治さんのソ連は世界平和の砦論は、軍事力均衡論に立脚

本ブログで何度も説明してきたように、昔の日本共産党はソ連や中国の核軍事力が世界平和を守る、という立場でした。

上田耕一郎さんの著作「マルクス主義と平和運動」(昭和40年大月書店刊行)や、日本共産党第八回大会での宮本顕治さんの報告にあるソ連は世界平和の砦論はそんな話です。




ソ連は世界平和の砦論は、スターリンによる、ソ連は世界革命の基地論にも近いとも言えます。

金日成は北朝鮮(朝鮮半島北半部)を南朝鮮革命の民主基地と規定しました。

金日成の論考「すべての力を祖国の統一独立と共和国北半部における社会主義建設のためにーわが革命の性格と課題に関するテーゼ」(1955年4月)は、ソ連共産党の革命理論の朝鮮半島版です。

志位さんなら、スターリンの革命理論や昔の日本共産党の平和理論をよく御存知と思います。金日成の論考は知らないかもしれませんが。

ソ連、中国の核軍事力が世界平和を守ると主張した昔の日本共産党は、軍事力均衡論に立脚していたとも言えます。

この平和理論を、部分的に修正したのは昭和58年頃出た「真の平和綱領のために」という無署名論文です。

発表された正確な日付を忘れてしまいましたが、赤旗を読んでおや、と思った記憶があります。

この論文は、ソ連を社会帝国主義と規定していますから。松竹伸幸さんなら、この論文を御存知と思います。中国をそのように規定した論文もあります。

日本共産党中央委員会出版局の「国際友好・連帯運動と覇権主義」(昭和62年刊行)という本には、朝鮮労働党が日本のチュチェ思想化を狙っていると断じた論考もあります。

和田正名さんの論考です。この見地なら、朝鮮労働党も社会帝国主義です。

松竹伸幸さんはこのあたりをよく御存知と考えられますが、そこまで深入りして日本共産党の平和理論、綱領路線を論じると厄介な事になると判断し、避けているのかもしれません。

志位さんはソ連、中国の核軍事力が世界平和を守る論から、絶対平和主義への路線転換を提案

志位さんがどういう経緯でこの平和理論の修正を決意したのかわかりません。ともあれ、志位さんは平成12年11月の第22回大会で絶対平和主義への路線転換を提案しています。

志位さんは、この大会で書記局長から幹部会委員長になりました。もう22年も前になるのですね。

志位さんは書記局長として、大会への中央委員会報告をしました。「前衛」2001年2月臨時増刊のpp90-91に、次が掲載されています。




志位さんは、日本の平和と安全を脅かす国など現在および将来にわたって存在しえないと、確信していたのです。今でもそう確信している事でしょう。

安保維持論者が言い立てる脅威なるものは根拠がない、急迫不正の主権侵害など現実には殆どありえないと志位さんは述べています。

多くの日本共産党員は、日本には憲法九条があると訴えれば中朝露は核兵器禁止条約に調印すると確信している

山添拓議員、吉良よし子議員ら若い日本共産党員は志位さんの報告を学び、絶対平和主義の立場から呟いていると考えられます。

日本には憲法九条がありますよと習近平、プーチン、金正恩に外務大臣が心から訴えれば彼らは感動し、核兵器禁止条約に調印すると確信している日本共産党員はかなり多いのではないでしょうか。

山添拓議員、吉良よし子議員は中朝露を包摂する平和の枠組み、どんな問題でも話し合いで解決する仕組みとやらが自衛隊解散、日米安保廃棄により実現すると確信していそうです。

今も昔も日本共産党の平和理論では、アジアで最大の戦争国家は日本です。日本がアジアでの戦争の根源なのです。これは、レーニンの帝国主義論に依拠しています。

自衛隊解散、日米安保廃棄で戦争の根源が取り除かれたら、中朝露が核兵器廃絶、全面的軍縮に応じないはずがない、と山添拓議員、吉良よし子議員は確信しているのでしょうね。

山添拓議員、吉良よし子議員は上田耕一郎さんの「マルクス主義と平和運動」や無署名論文「真の平和綱領のために」、和田正名さんによるチュチェ思想批判の論考など読んでいないと思えるのですが、どうでしょうか。

今の日本共産党議員、職員には、日本共産党の昔の文献を読まない方が多いと感じています。

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