北朝鮮はなぜ全面的調査を始めると日本政府に約束したのか―国家安全保衛部も外貨不足―
昨年末頃より多くの人が指摘していますが、中国との関係が悪化し北朝鮮の外貨収入が激減した可能性があります。
国家安全保衛部が実質的に日朝交渉で北の外務省を取り仕切っているという報道がありました。国家安全保衛部も、外貨が入らなくなって困っているのかもしれません。
12年ほど前の小泉訪朝のとき、北朝鮮側の担当者の頂点にいた人物は国家安全保衛部の大幹部だったそうです。この人はその後、銃殺されてしまったようです。
張成澤がこの人物の処刑の背景にいたという話もありますが、定かではありません。
現在の国家安全保衛部の大幹部たちは、この経緯を十分承知しているはずです。彼らは命がけで、日本から外貨と食糧を巻き上げようとしているのです。
失敗すれば、様々な口実で銃殺されてしまうかもしれないのですから。国家安全保衛部大幹部らは、本音では金正恩など全く尊敬していません。
高位幹部としての地位を確保するために、金正恩への絶対的な忠誠心を表明しているだけです。
常時武装できる国家安全保衛部最高幹部を窮地に追い込めば、金正恩もどうなるかわからないのです。
日本政府は日朝交渉の実際を仕切っているだろう国家安全保衛部について、何か知っているのでしょうか。何も知らないで北の外務省の主張を全て鵜呑みにしているのではないでしょうね。
「近くて遠い国を、近くて近い国にしよう」などとは北朝鮮側の誰も考えていませんよ。これは金正日の宣伝文句です。
国家安全保衛部も「外貨稼ぎ」をしている
中国には、国家安全保衛部傘下の料理屋やカラオケ店などがあるそうです。国家安全保衛部傘下の貿易会社もいくつかあるはずです。
外国への出稼ぎ労働者の賃金収入が、彼らを監視する国家安全保衛部に多少配分されることもあるのでしょう。
北朝鮮から中国への石炭や金属輸出代金があまり入らなくなっていたら、かなりの打撃でしょう。
今後、北朝鮮、国家安全保衛部は再び出鱈目なことを「全面的な調査結果」と称して出してくる可能性があります。
あるいは、結果を教えてほしかったら食料や金をよこせと要求してくる可能性もあります。
結果を教えてほしかったら安部総理が食糧を持って訪朝しろというかもしれません。その類の出鱈目な要求に応じてはなりません。
出鱈目な「調査結果」を出してきた場合、これまでよりもっと強力な制裁措置と、徹底的な思想攻撃をを政府として断行するべきです。
北朝鮮を訪問した在日朝鮮人の日本再入国を拒否するべきだ―西岡力東京基督教大教授(「救う会」会長)はなぜこれを主張しないのか―
強力な制裁措置の一つとして私は、北朝鮮を訪問した在日朝鮮人の再入国拒否の抜本的拡充をあげたい。これは北朝鮮にとって打撃となります。
「南朝鮮革命」の具体的な指令を、対南工作機関が総連関係者に出しにくくなるのです。徹底的な思想攻撃としては、ブログで何度も論じてきました。
この政策は、故佐藤勝巳氏(「救う会」元会長)は勿論、西岡力東京基督京大教授(現「救う会」会長)が長年主張してきたことです。
どういうわけか、西岡力氏はこの政策を最近は主張しないようです。
西岡力氏の「正論」掲載論考や集会での発言を見ると、多少のことは言いますが最後は政府を信頼して追随しよう、という類の結論になっています。
「圧力と対話」という方針に全面賛成のようです。
外務省の北朝鮮把握は、かつての韓国の朴正ヒ政権と同様という程度のものです。北朝鮮を開発独裁政権とみなしているのです。
対話を重ねて信頼関係を醸成し、経済成長のためには政策変更が必要だと説得しようという話になってしまいます。
外務省最高幹部には、暴力団幹部や極左団体の思考方式を「理解」するのは困難なのでしょう。外交官試験に暴力団や極左団体の動向、歴史、思考方式は出題されません。
西岡力氏の政府追随論を島田洋一福井県立大教授(「救う会」副会長)は察知できないのだろうか
雑誌「現代コリア」の編集長だった西岡力氏が日本の対北朝鮮外交基本方針である「圧力と対話」を批判できないとは、信じがたいことです。テロリスト国家とどうやって対話するのですか。
歳月が過ぎれば、人の気持ちは変わってしまうということなのでしょうか。
島田洋一福井県立大教授(「救う会」副会長)は西岡力氏の変化を察知できないのでしょうか。
かつての西岡力氏の論考や著作を知っている人間の一人として、いったいどうなっているのだろうというのが正直な気持ちです。
深い御事情がありそうです。元北朝鮮工作員安明進氏の「週刊新潮」への供述と関係があるのかもしれません。
あるいは、「救う会」の裏方針「被拉致日本人救出のために、暴力団の共生者と連帯・協力する」と何か関連しているのかもしれません。
金日成は「朝鮮の解放」に一切貢献していない。山賊は討伐されて当然だ!
対北朝鮮ラジオ放送で金日成、金正日を批判するべきです。「金日成神話」の虚構を対北朝鮮ラジオ放送で暴けば、金正恩の正統性が揺らぐのです。
朝鮮民族は何より血統を重視します。
金日成は日本軍に討伐されてソ連に逃げてしまったのですから、金日成は偉大な将軍ではありえない。満州の日本軍のほうが金日成よりずっと強かったのです。
金日成のパルチザン闘争は山賊行為でしかなかった。金日成は中国共産党員としてパルチザン(山賊行為)をやっただけですから、「朝鮮の解放」には一切貢献していません。
日本軍は住民の生命と財産を守るために金日成一味を討伐したのです。
これを対北朝鮮ラジオ放送で暴き、北の住民だけでなく中国朝鮮族にも伝えれば、必ず北の内部に広まります。国家安全保衛部が金正恩から責任を問われるように仕向ければ良い。
銃殺されるよりは、監視下にある被拉致日本人を日本との裏取引材料に使って多少の金品を得ようと国家安全保衛部最高幹部が判断するように仕向けねばなりません。
現状では、国家安全保衛部最高幹部は多少金に困っているだけです。窮地ではないでしょう。
金日成神話の虚偽が住民に広まれば、それを取り締まれていない国家安全保衛部最高幹部に重大な責任があることになります。
「全社会の金日成・金正日主義化」に失敗したことになりますから。
テロリスト国家との「対話」「交渉」とは思想攻撃だ!
相手は、民間航空機を爆破することを国策にしたテロ国家です。テロリストと通常の「対話」をしても何もならない。
テロリストの支援者を減らすような「対話」すなわち思想攻撃、宣伝戦を行えば、テロリストは窮地に陥るでしょう。
極左団体幹部は、極左団体の思想を形成した最高幹部を攻撃すると敏感に反応します。私は早大出身なので、このあたりの事情を体験として知っているつもりです。
かつての早稲田大学は、強力な極左団体の陣地でした。極左団体の幹部はいつも、血走ったような目つきをしていました。
暴力団幹部も同様ではないでしょうか。所属暴力団が誇っている最高幹部を誰かが批判し始めたら、相当なことになりうる。
保守派知識人で「中国、韓国の歴史戦に反撃せよ」という方は少なくないのですが、どういうわけか北朝鮮に歴史戦を仕掛けよと主張する方は滅多にいない。
いささか生意気ですが、「攻撃は最大の防御」であることを忘却している保守派知識人は少なくないのではないでしょうか。
暴力団や極左団体の研究をしていただきたいものです。
0 件のコメント:
コメントを投稿