2019年12月14日土曜日

日本共産党はなぜ中国共産党に、高野功赤旗記者の件で謝罪と償いを要求できないのか―不破哲三「日本共産党と中国共産党の新しい関係」(新日本出版社平成10年刊行)より思う

「日本共産党と中国共産党との関係正常化についての合意四より・・双方は今回の会談により、両党間に存在した歴史問題が基本的に解決されたことを確認し、日本共産党と中国共産党との関係の正常化を実現する事に合意した」(同書p74より抜粋)。


もう四十年余りの歳月が流れました。

昭和54年3月7日。高野功赤旗記者はベトナムのランソンという町で、中国人民解放軍によるベトナム侵略の現場を取材中、人民解放軍に射殺されました。

当時の日本共産党は中国共産党を強く批判しました。

しかし最近の日本共産党は、この事件について完全に沈黙しています。

香港の事態で、日本共産党は中国当局を批判する声明を出しました。

人民解放軍による高野功赤旗記者の件で中国共産党に謝罪と償いをせよ、と主張する日本共産党議員、職員は皆無です。

山添拓議員、吉良よし子議員ら若い日本共産党員はこの事件そのものを御存知ないのでしょう。

なぜ志位和夫委員長は高野功赤旗記者の射殺について沈黙しているのか


志位和夫委員長らこの事件当時の「赤旗」紙面を覚えている日本共産党幹部が沈黙する理由を推測してみます。

私は上記の中国共産党との合意「両党間に存在した歴史問題が基本的に解決された」によると考えます。

歴史問題は基本的に解決された、と日本共産党が認めたのですから、今更謝罪と償いを中国共産党に要求などできません。

「日中両党合意に反する」と中国共産党に脅かされてしまいます。この合意が存在する限り日本共産党は、人民解放軍による赤旗記者射殺を批判できません。

日本共産党は中国覇権主義に屈服したのです。日本共産党は中国覇権主義、という語を近年は用いていません。

中国共産党との交流再開を熱心に進めたのは、不破哲三氏です。

不破哲三氏にとって、赤旗記者の生命と人権より、中国共産党との科学的社会主義の理論交流のほうが大事だった。

今の日本共産党は香港の事態で中国共産党を批判していますが、中国共産党が科学的社会主義の党であるという認識は変えません。

20年ほど前に不破氏が主導して締結した日中両党合意は今日でも生きています。

日本共産党と中国共産党は、共に世界の共産主義運動を進める同志なのです。

これは今後、香港でどんなに酷い人権抑圧がなされても不変と考えられます。

中国共産党の人権抑圧は、建国以来一貫していますから。

現代中国は帝国主義だ―中国共産党は日本国家の破壊を策している


中国で人権が保障され、民主主義的な政治体制が存在した時期はありません。中国には事実上、選挙はない。

選挙らしきものはありますが、中国共産党幹部から住民に、誰に投票しなさい、という指令が来るそうです。

日本に定住する中国人の中には、領事館の在日指導担当者にいろいろと指導を受ける方がいます。

左翼は定住外国人に参政権を、と叫びますが、これが実現したら中国共産党、朝鮮労働党や韓国政府と韓国左翼が正々堂々と日本の内政に干渉できます。

日本国家の弱体化、徹底的破壊を目指す外国が存在することを、私は繰り返し訴えたい。

レーニンの「帝国主義論」の視点で中国を分析したら、現代中国は帝国主義そのものではないでしょうか。

マルクス主義経済学者には、毛沢東と中国共産党への尊敬観を未だに持っている方が少なくない。

毛沢東は人民を教師とした、などと本気で信じている方がいます。中国共産党を少しでも批判する中国人は、毛沢東にとって人民ではないのですけれどね。





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