2019年12月8日日曜日

左翼知識人、運動家はマルクス主義を放棄し、ベルンシュタインが唱えた社会民主主義を再検討すべきだ―労働者階級には祖国があり、国民には国防の義務がある―

資本主義的搾取の廃止、生産手段の社会化はできない。日本革命、世界革命はない。左翼知識人、運動家はベルンシュタイン以来の社会民主主義の思想、政策論を再検討すべきである。


山本太郎さん(れいわ新選組)の演説をインターネットで見ました。

私は山本太郎さんの安全保障観、原発論には到底共感できませんが、マクロ経済学を熱心に勉強されていますね。

銀行による信用創造の仕組みを、街頭演説で説明する政治家を見たのは初めてです。

熱意のある左翼政治家を久々に見ました。小田実さんの世界観と近いものを持っている方と思います。

れいわ新選組の中心的な支援者には、小田実さんの「日本をよくする市民連合」に参加していた方がいるらしい。

山本太郎さんには小田実さんが毛沢東、金日成という大量殺人を断行した独裁者を礼賛してしまった事を知って頂きたいものです。

労働者階級には祖国がある


本ブログでも何度か触れましたが、私は若い頃左翼でした。

旧友や大学院の先輩には、左翼運動に熱心に取り組んでいる方が少なくありません。

そんな方々に私が申し上げたいことは、上記の「労働者階級には祖国がある」です。

革命など存在しえない。選択すべき体制は、資本主義経済なのです。

マルクス、エンゲルスの資本主義の未来論は全く間違っており、ベルンシュタインの予見が正しかった。

左翼知識人、運動家はこれを認めるべきです。

ベルンシュタインによるマルクス、エンゲルス批判は多岐にわたりますが、その中の最重要命題は「労働者階級には祖国がある」であると考えます。

生産手段の社会化など不可能で、資本主義経済の枠内で失業の減少、非正規職から正規職への転換増を訴えるのなら、それは国家による経済政策を考えるしかない。

財政、金融政策をどう実施するか。財政政策により、社会資本をどう建設するのか。社会資本とは何か。

国家による経済政策が必要なら、国家を核ミサイルやテロなどで滅ぼそうとする外敵から守る軍事力が必要です。

強力な自衛隊と日米軍事同盟は日本国家存続のために必要な社会資本です。

仏のミッテラン政権は、国防を重視して核軍拡を推進したのではないでしょうか。仏左翼なら、日本に核武装を勧めることでしょう。

生産手段の社会化、搾取の廃止などできないという件については改めて論じたいと思います。

簡単に言えば株式会社が存在し、労働市場と金融資産市場が存在するなら資本主義的搾取が広範に存在すると考えます。

民主主義を実現するために、国民には国防の義務がある


ベルンシュタインは、民主主義を実現するためには国民が国家に対する義務、特に国防の義務を果たさねばならないと説きました。

ベルンシュタインはロシアが危険だから、戦争を国外で行うべきであると述べています。

自国内で戦争を行うことになる「専守防衛」は自国民の大量犠牲を伴うので、危険るという発想です。

ロシアによる南進の危機に直面していた明治日本が日韓併合を行ったのは、この視点でした。

今の日本人が、当時の国際法では合法だった日韓併合を謝罪する事は、日本はロシアに併合されるべきだったと主張するようなものです。

上記の件、もう16年も前になりますが、私は野村旗守さん編「社会党に騙された!」(別冊宝島Real55号)に「社会党と共産党、どこがどう違ったか」と題して書きました。

繰り返しですが山本太郎さんには、小田実さんが毛沢東、金日成を礼賛してしまったことを知って頂きたいものです。

ベトナム反戦運動に参加された小田実さんは、米国と朝鮮戦争で対決した中国共産党、朝鮮労働党こそ、「たたかう市民」だったのでしょうね。

習近平、金正恩は市民ですか。れいわ新選組を支援する皆さんに、御検討頂きたい。



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