2019年12月27日金曜日

日本共産党の刑法改正案について思う―「暴行・脅迫要件」の撤廃と同意要件の新設は冤罪を多発させる

最近の日本共産党は「強制性交罪」(旧強姦罪)の「暴行・脅迫要件の撤廃」と同意のない性交を処罰することを提起しています。(例えば、参議院選挙での重点政策)。


私は法律には疎いのですが、性交の同意の有無をどうやって確認できるのでしょうか。

日本共産党の参議院選挙での重点政策の文書を見ると「加害者」とされた側が「被害者」から同意を得たか否かの事実を立証せねばならない。

これでは、性交後に「私は同意などしていない。貴方は私を強姦した」と訴えられたら大変です。

「加害者」にされたのですから、性交での合意の存在を何とかして立証せねばならない。

「暴行・脅迫」をしていないことは何とか証明できても、「被害者」からそれでも私は嫌だった、と嫌だと繰り返し言ったなどと主張されたらそれを覆すことは難しい。

密室での出来事、二人だけの会話の中身を、「加害者」が証拠を示して覆すことなどできるはずもない。

同意の存在を「加害者」が証明できなければ「旧強姦罪」、今は「強制性交罪」にされてしまいます。

これが刑法でどの程度の重罪なのか、私にはよくわからないのですが万引きや満員電車内の痴漢よりはるかに重い事は間違いない。

冤罪が多発しうる。

「野党と市民の共闘」を広めるためには、冤罪多発でも「同意なき性交を犯罪とせよ」論に与すべきという判断では


日本共産党には法律家が多いはずなのですが、どうしてこんな刑法改正案が提起されたのか不可解です。

察するに、「野党と市民の共闘」を広めていくためには、「同意なき性交を犯罪とせよ」論を主張する市民団体との連携が不可欠という判断ではないでしょうか。

志位和夫委員長か小池晃書記局長がそう判断し、日本共産党中央のどこかの部署がその意をくんでこの案を作成したのでしょう。

どなたがこの刑法改正案を作成したのか存じませんが、法律家の意見を殆ど聞かないで出してしまったに相違ない。

日本共産党中央は、一般党員の意見を聴いて政策や見解を作成する事ができにくい。

40年くらい前に田口富久治教授が、民主主義中央集権制では必ずそうなっていく旨、問題提起をしていました。

今の日本共産党職員、議員は不破・田口論争など知らないでしょうね。

宮本顕治氏、不破哲三氏の論文すら殆ど読んでいない方が、日本共産党の議員や職員として勤務している。

そういう方々には、御自身が革命家であるという自覚がない。普通の就職口という気分で日本共産党職員、議員になったのでしょう。

あらゆる意味で、日本革命は実現不可能です。

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