2014年4月1日火曜日

横田めぐみさん娘と祖父母の会見について思う―「日本は感動を与えればたやすい」、(張真ソン「金王朝『御用詩人』の告白」文藝春秋刊行p76より。西岡力監修)

「韓国は交渉を無視したり脅かしたりすればいい。アメリカは嘘でも論理があれば可能だ。日本は感動を与えればたやすい」


記者会見での横田御夫妻の表情を見ると、誰でも「お孫さんとあえて本当に良かった」と思うでしょう。これは当然です。

しかしそのことと、北朝鮮がなぜお孫さんの祖父母との外国での会見を認めたのかという分析は別にせねばなりません。

この件で参考になるのは、北朝鮮の「統一戦線部」という対南工作機関所属の詩人だった張真ソン氏の上記著作での指摘です。

北朝鮮は拉致問題に関する日本の世論を軟化させ、食糧支援獲得と制裁解除を狙っています。

「日本は感動を与えればたやすい」という視点から、北朝鮮は横田めぐみさん娘と祖父母との面会を認めたのです。

横田めぐみさん娘の言動を監視する国家安全保衛部の担当者がいたはずだ


こういうことを言うと冷水を浴びせているようになってしまい心苦しいのですが、娘さんの言動を何らかの形で監視する人間、国家安全保衛部の担当者が配置されていたはずです。

娘さんはそれを熟知していますから、全てのことを祖父母に語るのは難しかったでしょう。

しかし、外国に出るのは初めてだったでしょうから、いろいろ感じたこと、わかったことがあったのではないでしょうか。

横田御夫妻は当然、お孫さんとの再会を希望しておられるでしょうが、中国以外の外国で会うことを希望していただきたい。

北朝鮮に行ったりしたら、北朝鮮の思うつぼです。

どこで会おうと必ず監視者がついてきますが、中国以外の外国なら監視の程度が異なってくるはずです。

いろいろな不便はあってもお孫さんにとっては外国に少しでも行くことが、とてもよい経験なのですから。

今回のモンゴル行きは祖父母からのプレゼントと解釈しても良いのかもしれません。

それにしても、許せないのは北朝鮮です。コメを得るために祖父母とお孫さんの面会を利用しているのですから。改めて次を訴えます。

対北朝鮮ラジオ放送で「白頭血統」への思想攻撃を!


「日本は感動を与えればたやすい」という統一戦線部の「分析」が全くの的外れになるようにせねばなりません。

外務省間の交渉がどのようになろうと、日本政府は直ちに対北朝鮮ラジオ放送で金日成が日本軍に追われてソ連領に逃げてしまったことや、金正日の女性関係を暴くべきです。

金正日はハバロフスク近郊で生まれているのですから、白頭山とは無関係です。

日本が「白頭血統批判」ともいうべき思想攻撃をやれば、北朝鮮当局は猛烈に反発し、外務省間の交渉がいったん途切れるかもしれません。

北朝鮮は対日政策を全面的に見直すしかないのです。

「これまでのやり方は失敗だった」となり、外務省でなく対南工作機関や国家安全保衛部が様々な経路で放送中止を要求しとんでもない脅迫をしてくるでしょう。

テロ国家北朝鮮と「対話」「交渉」するためには「圧力と思想攻撃」


このときこそ、テロ国家北朝鮮との「対話」「交渉」が始まることを重ねて訴えたい。被拉致日本人解放に最も強く反対、抵抗するのは対南工作機関なのです。

対南工作の実態がばれてしまうからです。被拉致日本人を厳重に監視しているのは、おそらく国家安全保衛部です。

日本政府は彼らに「ラジオ放送をやめてほしいなら横田めぐみさん、有本恵子さん、増元るみ子さんらを返せ」と要求すればよいのです。

現在の日本政府の姿勢は、北朝鮮が普通の国家であることを前提としています。日本人拉致を断行したのが北朝鮮国家であることを直視できていない。

「圧力と対話」から、「圧力と思想攻撃」に日本政府は路線転換すべきなのです。

北朝鮮が返せないというなら、統一戦線部や国家安全保衛部の人間が聞くことを想定した「朝鮮労働党幹部の皆さんへ」(仮題)というラジオ番組を作ってしまえば良い。

金日成が日本軍に追われてソ連へ逃げてしまったことは真実なのです。

金日成がやった「パルチザン活動」の実態は山賊行為でしかなく、日本軍は住民の生命と財産を守るために金日成一味を討伐したのです。

金正日の奢侈生活を「金正日の料理人」に依拠して暴くべきだ―国家安全保衛部幹部への精神的圧迫を対北朝鮮ラジオ放送で増幅させよう!


金正日の奢侈生活を「金正日の料理人」藤本氏の著作に依拠しながら対北朝鮮ラジオ放送で淡々と伝えれば良い。

これをやれば北朝鮮国内だけでなく中国で「外貨稼ぎ」をしている朝鮮人民軍関係者や国家安全保衛部の人間にも、情報が様々な経路で伝わります。

国家安全保衛部の人間が金正恩に対する忠誠心をなくしていけば、被拉致日本人に対する統制が弱まります。

国家安全保衛部の頂点に立つ人間や、対日工作の責任者の中には、処刑ないしは収容所送りにされた人間もいます。

国家安全保衛部の頂点の人間はそれを熟知しています。我々には想像もできないような、精神的緊張感と圧迫の中で国家安全保衛部の大幹部は暮らしているのです。

その精神的圧迫を、対北朝鮮ラジオ放送でさらに増幅させてしまいましょう!

「対日工作での失敗の責任を取らされて処刑されるよりは...」という発想を国家安全保衛部の幹部が抱くよう追い込んでいくべきです。


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