2021年10月7日木曜日

志位さんは日本共産党「真の平和綱領のために」(昭和56年7月6日「赤旗」評論版掲載)を内緒にしたい

 松竹伸幸さんがブログで、日本共産党の伝統的な戦争と平和観について説明しています。

本ブログでも日本共産党の平和理論について、繰り返し説明してきました。

松竹さんは嫌かもしれませんが、私と松竹さんは日本共産党の平和理論、平和観をどう考えるかという点ではほとんど同じです。

松竹さんは日本共産党がレーニンの帝国主義論に依拠している、とは指摘していませんが。

日本共産党の平和観は、アメリカと日本は平和の敵で戦争国家、ソ連や中国は平和勢力という見方です。松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba (ameblo.jp) 

松竹さんによれば、日本共産党が伝統的な平和観を多少修正するきっかけになったのは、昭和48年6月27日に中国が行った核実験です。

この件で日本共産党は、公明党から強く批判されたそうです。

これを受けて、宮本顕治委員長(当時)が日本共産党の核兵器問題での政策を変更するように担当者に指示を出したそうです。

私はこの経緯は全く存じませんでした。

「真の平和綱領のために」はソ連や中国を社会帝国主義と主張

日本共産党の論考「真の平和綱領のために」に宮本顕治委員長が記者会見で核問題での見解を部分修正したことが出ています。

「真の平和綱領のために」は日本共産党のそれまでの平和理論、平和観を部分修正した重要論文です。

「真の平和綱領のために」など、今の日本共産党議員や職員がどれだけ読んでいるか疑問ですが。

この論考は、国際政治の基本構造は米国を中心とする帝国主義勢力の支配と搾取、侵略と抑圧の政治に対して、社会主義諸国と勤労人民、民族解放勢力が対抗している事だと述べています。

しかしソ連や中国が、覇権主義的政策をとっているので社会帝国主義の誤りを犯していると主張しています。

ソ連や中国が社会帝国主義的誤りを犯している、と主張した点が部分修正です。

志位さんは「真の平和綱領のために」を内緒にしたい

今の日本共産党は中国共産党を覇権主義と批判していますが、社会帝国主義と断定はしていない。

断定すると、厄介な話になりますから。

社会帝国主義なら、人民解放軍は日本攻撃を断行しうるではないか、人民解放軍と戦う自衛隊の武器を増強せねばならないな、という世論が広がってしまいます。

そこで志位さんは、「真の平和綱領のために」も内緒にしたいのです。

宮本顕治さんが党首だった時期の文献は、今の日本共産党にとって厄介なものが実に多い。

当時の大会決定は殆ど皆、都合が悪い。そこで日本共産党のHPには掲載されていません。

共産党は都合の悪い史実を隠ぺいする

洋の東西を問わず、共産主義者は都合の悪い史実を隠蔽します。

レーニンが残した富農や地主追放、財産没収指令、ロシア正教会弾圧指令について、不破さん、志位さんが語ることはないでしょう。

野坂参三さんが国際共産党の大幹部として行った革命運動は、日本共産党の世界観では素晴らしい業績のはずですが、これも不破さん、志位さんは内緒にせねばならない。

ソ連共産党の文献では、トロツキーがロシア革命で果たした役割が完全に削除されていました。

一般党員は、宮本顕治さんが書いた数々の文献を入手しにくくなっています。不破さんの「北京の五日間」もそうなるのでしょうか。


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