2021年10月16日土曜日

日本共産党はなぜ自衛隊を解散させたいのかー小林栄三監修「科学的社会主義 下」(新日本出版社刊行)が語る科学的社会主義の国家論より

共産主義者は資本主義国家を階級的支配の道具と見る 

マルクスやエンゲルス、レーニンの文献を少しでも読んだことがある方なら、上記を御存知でしょう。

日本共産党は、科学的社会主義の国家論のこの見地から自衛隊解散、日米安保廃棄で日本国家の国防力を皆無にすることを宿願としています。

自衛隊解散を野党と市民の政権の一致点にはしないが、日本共産党としては可能なら可及的速やかに自衛隊解散、日米安保廃棄を実現したいのです。

日本共産党の主張に概ね共鳴するが、自衛隊解散には違和感があるな、という方もいるでしょう。立憲民主党議員や支援者の方にはそんな方がいそうです。

日本共産党の自衛隊解散論は、科学的社会主義の国家論に依拠していることを知っていただきたい。これは、次の文献にも出てきます。

日本共産党によれば、自衛隊と警察は日本の支配層の武装力である

小林栄三監修「科学的社会主義 下」(p135)によれば、米帝国主義は自衛隊など日本の支配層の武装力の中枢部分を掌握、指揮下においています。

自衛隊や警察など日本の支配層の武装力は、日本独占資本の人民収奪と支配を維持する道具です。

同時に自衛隊は、米帝国主義の戦略と対日支配の中に組み入れられ、彼らの特権と対日支配を擁護し維持する道具になっているそうです。

今の日本共産党綱領にはここまで極端な記述はありませんが、上記の自衛隊論が完全に否定されたわけではありません。

5年ほど前、藤野保史議員が防衛予算は人を殺す予算である旨、テレビ番組で発言しました。

藤野保史議員の心中には、小林栄三さんの上記のような自衛隊論があったと考えられます。

自衛隊は日本の支配層の武装力なのですから、日本共産党にとって自衛隊解散は人民を解放するためにどうしても必要な政策なのです。

科学的社会主義の国家論によれば、社会主義国の軍隊は人民の軍隊で平和に貢献

科学的社会主義の国家論では、中朝のように民主主義革命、社会主義革命を実現した国家の軍隊は、人民の軍隊です。

中朝は覇権主義の誤りを犯していますが、米国と対決していますから大局的には平和勢力です。

中朝の軍事力は、大局的には世界平和の維持に貢献しているという話になるのです。

松竹伸幸さんのブログにも、日本共産党が長年ソ連や中国の核が平和を守ると主張してきたことが記されています。

松竹さんが小林栄三さんのこの本や、上田耕一郎さんの「マルクス主義と平和運動」(大月書店)を知らないはずがない。

昭和36年7月の第八回大会で採択された綱領には、ソ連など社会主義国は平和地域であると明記されていました。松竹さんがなぜ、上記の本や昔の綱領に言及しないのかは不明です。

日本共産党は自衛隊が持つすべての兵器、自衛隊が行う全ての演習に断固反対

今の綱領は自衛隊は米軍の掌握と指揮下にあり、アメリカの世界戦略の一翼を担わされていると規定しています。

自衛隊が日本国家を守るという発想は日本共産党にはありません。

日本共産党はオスプレイや戦闘機だけでなく自衛隊の全ての兵器保有、自衛隊が行うあらゆこれは、反対しています。

これは、自衛隊と警察は日本独占資本の人民収奪と支配を維持する道具だという科学的社会主義の国家論に依拠しているのです。

日本共産党は野党と市民の政権で自衛隊の徹底的弱体化を主張する―中朝は大喜び

万が一、野党と市民の政権とやらができたら、日本共産党は自衛隊解散は主張しないでしょうが全ての兵器保有、自衛隊が行うあらゆる演習に反対するでしょう。

自衛隊解散論を政権内に持ち込まなくても、自衛隊の兵器や演習の是非については政権与党内でよく話し合って決めよう、と日本共産党は主張するでしょう。

日本共産党の自衛隊解散論は、気まぐれではなく科学的社会主義の国家論に依拠しているのですから、立憲民主党幹部が志位さんと多少議論したら何とかなるものではありません。

自衛隊保有武器の大幅削減、全ての演習中止が実現したら習近平にとって尖閣侵攻、台湾攻撃の絶好の機会到来です。

日本攻撃を策す習近平、金正恩は大喜びする顔が浮かんできませんか。

中国共産党は、那覇空港を何らかの方法で攻撃しうる。有事の際、自衛隊機は那覇空港から発進しますから。サイバー攻撃の可能性がありますね。

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