2022年7月24日日曜日

松崎いたるさんの大著「日本共産党 暗黒の百年史」(飛鳥新社刊行)より思うー渡辺政之輔ら昔の日本共産党中央幹部は待合で豪遊ー

 松崎いたるさん、渾身の作です。

この本の「はじめに 共産党の百年と私の三十年」によれば松崎いたるさんは昭和60年に日本共産党に入りました。田村智子議員と同世代になりますね。

平成13年から同党板橋区議を務めていたのですが、議員生活15年目に日本共産党を除籍されました。

松崎さんによれば、日本共産党内で日本共産党の歴史を批判する方は反党的と烙印をおされ、放逐されてしまいます。

日本共産党公認の歴史と異なる史実を公表したことにより、除名処分になった赤旗記者もいるそうです(同書p3)。下里正樹さんのことでしょうか。

私見では、日本共産党の職員、議員が日本共産党の歴史や政策、方針を公の文献やインターネットで批判したら放逐されるでしょうが、今は一般党員なら担当職員の方に批判される程度で終わります。

一昔前なら放逐、除名でしょうけれど。昭和60年、東大の院生だった伊里一智さんは宮本顕治さんの辞任を求めるなどの活動を行ったので除名されました。

インターネットでは、伊里一智さんの本名、現職も出ています。故萩原遼さんは一般党員でしたが、不破さんを公の場で批判したので除籍になりました。

萩原遼氏を除籍 (jcp.or.jp)

日本共産党は、都合の悪い史実を無視、排除し偽装する(同書p31)

この本の章立ては以下です。

序章 幹部たちの歴史観とつくられる「党史」

第一章 神にされた男 市川正一の生涯

第二章 モスクワ生まれの「粗製乱造的」党

第三章 リンチ事件の真相

第四章 徳田球一と宮本顕治

第五章 中国共産党との関係

第六章 除名された人々ー多様性を許さぬ民主集中制

第七章 「退廃との闘争」と優生思想

第八章 憲法と革命(その1)ー自衛隊をめぐって

第九章 憲法と革命(その2)ー天皇をめぐって

おわりに 憲法をどうするか

私見ではどの章も、日本共産党の文献や指導者の発言に裏付けられています。

この本は学術書ではないので、学術論文のような形式にはなっていませんが、日本共産党の歴史を研究する方なら避けて通ることができない文献です。

私の筆力では全部の章の内容を一度に紹介するのは無理です。どの章でも、不破さん、志位さんには内緒にしたい史実が文献資料を根拠にして説明されています。

市川正一(昔の日本共産党幹部)は逮捕された時、拳銃と現金三千円を所持していた

今回は、第二章にある、昔の日本共産党の資金原資と使途を紹介します(同書p63-64)。

市川正一(昔の日本共産党幹部)は昭和3年10月から昭和4年4月28日に逮捕されるまでの間、国際共産党(コミンテルン)から計6500円受け取りました。

当時の6500円は、現在の貨幣価値に換算すれば四百万円と松崎さんは記しています。

昭和恐慌の時期の物価を、内橋克人「ドキュメント恐慌」に出ている財価格から推測すれば、現在の約1/5000と私は考えました。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 内橋克人「ドキュメント恐慌」(現代教養文庫、平成4年刊行)より思う―昭和恐慌(昭和4~6年頃)と性産業、「身代金」・「玉代」 (blueribbonasiya.blogspot.com)

6500×5000は3250万円ですから、松崎さんの試算より大きな額になります。以下は、この本(p64-65)からの抜粋です。

人件費 市川正一 三百円(昭和3年11月~昭和4年4月)

    砂間一良 百五十円(昭和4年1月~3月)

    間庭末吉 二百円(昭和3年12月~昭和4年3月)

宣伝費     約二百五十円(昭和3年12月~昭和4年3月)

組織費  東京 約百円(昭和4年1月~3月)

     京浜 約百円(昭和4年2月~3月)

私流の試算では、市川正一が受け取った人件費三百円(五か月)は現在の価額では百五十万円です。一か月に三十万円程度の支出ができることになります。

市川正一は東京府下馬込町の民家に、横浜の富豪に扮して月五十円を支払って下宿していたそうです。

昭和4年4月28日朝、市川正一は警官隊に急襲され、逮捕されます。このとき、市川正一は拳銃一丁と現金三千円を所持していました(同書p67-68)。

私の試算では、三千円は現在の約1500万円です。家賃50円は、25万円となります。市川正一は、受け取った資金の多くを家賃に支出していたことになります。

市川正一、宮本顕治ら昔の日本共産党中央幹部は、拳銃と大金を国際共産党(コミンテルン)から受け取り、内乱を策していたのですから逮捕、投獄は当然です。

市川正一は真面目な方だったのでしょうが、日本共産党中央幹部には豪放なお人柄の方も多かったようです。

渡辺政之輔ら昔の日本共産党幹部は芸妓を招いて豪遊していた

同書(p66)によれば、渡辺政之輔、佐野学、国領五一郎、鍋山貞親、三田村四郎ら日本共産党中央幹部は、昭和3年4月上旬頃から十月まで日本橋区、浅草区の待合で数名の芸妓を招き繰り返し豪遊しました。

渡辺政之輔は53回も豪遊しました。一回の遊興費用は22円から150,160円だったそうです。これに5000を乗じれば、11万円から750万円、800万円となります。

遊興費用総計は5000円。5000を乗じる私の試算は、遊興費用から考えれば、当たるといえども遠からず、ではないでしょうか。総計2500万円になってしまいますが。

数人の富裕層が銀座でホステスの方々と百回程度飲食をすればこれぐらいの額になりませんか。国際共産党幹部はこれを把握していたのでしょうか。

渡辺政之輔も、台湾で逮捕された時に拳銃を所持していました。

ジェンダー平等、を訴える田村智子議員、池内さおりさん、堀川あきこさんは、昔の日本共産党中央幹部の豪遊についてどうお考えなのでしょうか。

伊藤千代子さんは、中央幹部の豪遊を御存知なかったでしょうね。



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