2014年1月18日土曜日

暴力団はなぜ被拉致日本人救出運動に着目するのか―日朝国交樹立により巨額の公共事業―

暴力団と密接な関わりのある右翼は、暴力団の幹部と緊密に連携して被拉致日本人救出運動に参加している



北朝鮮社会、あるいは暴力団関係者が所属している小社会は、金が全てです。


金の流れに関する優れた嗅覚を保持していなければ、朝鮮労働党の幹部、暴力団とその構成員、準構成員は生き残れないでしょう。


朝鮮労働党幹部は、外貨稼ぎを様々な手法で行い、金正日、金正恩に献上せねばなりません。故張成澤とその配下の人物は、外貨稼ぎに優れた手腕を持っていました。


北朝鮮帰国者を家族に持つ在日朝鮮人を脅かして外貨を得ることなど、朝鮮労働党幹部、国家安全保衛部の常とう手段です。


暴力団関係者の仕事はシノギ(稼ぎ)と上納



暴力団構成員、準構成員の第一の仕事は、合法、非合法のあらゆる手段を用いて金を稼ぐことです。彼らはこれをシノギといいます。


暴力団関係者はシノギにより自分の奢侈生活を維持し、上部に大金を納めねばなりません。


若い衆でも一か月数十万円納めねばならないそうです(北芝健「誰も知らない暴力団の経営学」日文新書、p120)。


暴力団組織は一次団体、二次団体、三次団体というように階層型になっています。指定広域暴力団なら、五次ないしは六次団体まであるそうです。


指定広域暴力団の大幹部なら、巨額の資産を保持しているのでしょう。


山口組の若頭だったある故宅見勝は、イトマン事件に関連し、大阪府民信用組合から約2000億円を手中にしたという指摘があります(盛力健児「鎮魂」宝島社、p206)。


張成澤も巨額の個人資金を持っていたようです。張も、「経済ヤクザ」のような人物だったのでしょう。


「経済ヤクザ」は資産投資を長期的な視点で考える



巨額の資産を持つ指定広域暴力団の大幹部、「経済ヤクザ」なら、資産をどのように投資しようかといろいろ思案するのではないでしょうか。


すぐに金にはならなくても、いずれは大金を手にできる見込みがあるならば、ある事業あるいは社会運動に投資をするはずです。


投資ですから、失敗もあります。暴力団が、モンゴル出身の幕内力士を通じてモンゴルの金鉱に投資をしようとしたという記事がありました。


この事件では、韓国の会社が資金を提供して損をしたらしいのですが、暴力団は幕内力士に「形を作れないなら引退せよ」と脅迫したようです。


暴力団の大幹部なら、多少の失敗を織り込んだ長期的な投資として、被拉致日本人救出運動に着目してもおかしくありません。


日朝国交正常化の一兆円で北朝鮮のインフラ整備、金鉱や希少金属の採掘権



日朝交正常化の際には、一兆円とも言われる金が日本政府から北朝鮮に流れるという怪しげな話があります。


その資金で、日本企業が北朝鮮のインフラ整備を行い、金鉱や希少金属の採鉱ができるようになりとしたらどうでしょう。


採掘権が得られれば、相当な富を得られそうです。この程度なら誰でも考えつきますから、簡単ではないでしょうけれど。


勿論、日朝で国交が樹立できなければすべては「絵に描いた餅」です。


指定暴力団の大幹部なら、密接な関係にある右翼を救出運動に参加させ、運動家や拉致被害者家族の個人情報を可能な限り収集してそれをここぞ、というときに用いるのではないでしょうか。


被拉致日本人の救出を、適当なところで運動家や拉致被害者家族に諦めさせ、一気に国交樹立まで持っていく。


運動家や被害者家族が反発をするなら、個人情報を用いて脅かせるという見通しではないでしょうか。


公共事業の「交通整理」と「経営コンサルタント料」



十数年前ですが、暴力団と密接な関わりのある右翼が著名な政治家を愛人問題で脅迫した事件がありました。組織暴力団の威力を背景とした脅迫を見くびってはいけません。


カンパ費で飲食をしているような運動家がいるとしたら、厄介なことになりそうです。


暴力団大幹部は国交樹立後、日本から北朝鮮に流れる資金で行われるであろう公共事業の「交通整理」を、右翼を通じて自分たちが行うことを画策しているのかもしれません。

「交通整理」とは、たとえばこんなイメージです。

公共事業の元請けは大手建設会社がやるのでしょうが、下請けや孫請けとそれぞれの受注金額を、誰がどうやって選定し決定するのでしょうか。

公共事業に必須の砂利業者、産業廃棄物業者を誰がどうやって選定し、発注額を決めるのでしょうか。

外国で談合がなされたら、日本の警察はそれを把握できるでしょうか。外国に日本の法や条例は及びませんから、警察が談合を把握しても何もできないでしょう。


「経営コンサルタント料」などの名目で資金が得られるのかもしれません。


公共事業に暴力団関係者を関与させることは、暴力団対策法や暴力団排除条例で厳しく禁じられていますが、いろいろ抜け穴があるのでしょう。

外国で談合、という巨大な抜け穴があるように思えるのは私だけでしょうか。ソウルや北京に下請け業者を集めて談合すれば良いではないですか。


どういう仕組なのかわかりませんが、弘道会は中部国際空港で巨額の利権を得たという指摘があります(盛力健児「鎮魂」宝島社、p241)。

「カンパ費で飲食」を指定暴力団大幹部は熟知している



右翼が被拉致日本人救出運動で何らかの幹部になっていれば、暴力団排除条例で定義されている「暴力団と密接な関係を有する者」とみなされなくなり、規制対象外になってしまうのかもしれません。


「密接な関係を有する者」とは曖昧な概念です。「暴力団の共生者」もそうです。


警察や地方自治体が、被拉致日本人救出に尽力し、保守的政治家と交際している人を「暴力団と密接な関係を有する者」「暴力団の共生者」と規定できるか、甚だ疑問です。


指定暴力団大幹部、「経済ヤクザ」なら、この程度のことは読み込んでいるはずです。


被拉致日本人救出運動に尽力している政治家や運動家、政府の所属部署の方々が、暴力団と密接な関係にある右翼と親密交際していれば、どこかで御自分に火の粉が降りかかってきそうです。



故佐藤勝巳氏(「北朝鮮に拉致された日本人を救うための全国協議会」前会長)は、「統一日報」掲載の「拉致問題との関わり」(15)でカンパ費で飲食している方々のお名前をあげていました。


この件の詳細な情報を、指定暴力団大幹部は入手しているでしょう。面倒なことにならなければ良いのですが。

資料・佐藤勝巳「拉致問題との関わり」15(「統一日報」掲載論考)より抜粋



「今、救う会・家族会で問題になっているのが、西岡、島田、増元氏らがカンパ費で飲食していることである」(佐藤勝己「拉致問題との関わり」15より)

こんなことはありえないと私は考えています。

しかしなぜ 西岡力氏(東京基督教大教授)、島田洋一氏(福井県立大教授)、増元照明氏らは「統一日報」編集部に抗議しないのでしょうか。

今からでも、しかるべき見解を表明したほうが良いのではないでしょうか。

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