2014年1月31日金曜日

佐藤勝巳氏(「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会))前会長はなぜ解任されたのか


「救う会に至っては、会計監査を1回も設けていない決算書が正しいと主張して、それを内部で問題にし続けてきた会長を、共同謀議で排除した」(「拉致問題との関わり」(17)、「統一日報」2013117日掲載)


社会運動に参加すると、いろいろな人間模様と申しましょうか、運動とそれぞれの人生の節目で先達と仲間がどう行動するかを嫌でも見聞することになるようです。

私が北朝鮮問題に関心を持ち始めたのは大韓航空機爆破事件の犯人金賢姫が北の工作員だとわかったころでしょうか。

思うところあって生まれ育った関東を離れ、神戸に来た頃でした。それまでの人生の転換を、何とかして成し遂げようと考えました。

その数年後、JR六甲道駅前の本屋で「どん底の共和国」(亜紀書房刊)という本を見て驚愕しました。偶然だったのでしょうか。

偶然であるならこれも神がサイコロを振った結果なのかと時折、遠藤周作の言葉を噛みしめています。


十数年前には、全く予想できなかったことがいろいろ起きました。佐藤勝巳氏と西岡力氏の対立はその一つです。


西岡力氏(東京基督教大教授。現「救う会」会長)は佐藤勝巳氏の愛弟子



私は佐藤勝巳氏、西岡力氏の著作とお話から、沢山のことを学びました。私の理解では、佐藤勝巳氏にとって西岡力氏は愛弟子です。

しかし、佐藤勝巳氏は、御本人と愛弟子西岡力氏、島田洋一氏(福井県立大教授。「救う会」副会長)、平田隆太郎事務局長の4人で構成される

「救う会」の役員会で、20087月になぜか解任されてしまいました。「救う会」が出しているメールニュースでは何もわかりません。

佐藤氏の絶筆となってしまった「拉致問題との関わり」(「統一日報」掲載)は次のように語っています。


佐藤勝巳氏は愛弟子の西岡力氏が外国に行くときにビジネスクラスを使っていることを咎めた



2008616日、わたしは電子メールで平田事務局長に、西岡氏が外国に行くとき『ビジネスを使っていると活動家から聞いたが本当か』と問い合わせた」とあります。

その返事はいまだこないそうです。

会長が知らない間にこのようなことが、「北朝鮮に拉致された日本人を救うための全国協議会」にも起きていたそうで、

御本人の解任はその2週間後に起きたそうです(佐藤勝巳「拉致問題との関わり」(11)、統一日報2013919日)。

これが真実なら、次のように思えてしまいます。

西岡力氏は「救う会」の用事で外国に行くとき本来はエコノミークラスで行くべきなのにビジネスクラスを使っていた。

これを咎めた佐藤氏を西岡力氏、島田洋一氏、平田隆太郎事務局長らが役員会で解任を決めた。役員会で解任を決定した後、

「北朝鮮に拉致された日本人を救うための全国協議会」(救う会)の幹事会にはかったところ、

「佐藤さんの主張はおかしい。西岡力氏は外国に行くとき、エコノミークラスでなくビジネスクラスを使って当然だ」

という話になり、幹事会で佐藤解任が確認された。

そう思えてしまいますが、あり得ぬ話です。


「共同謀議」は西岡力氏の航空機搭乗方式についての話し合いだったのか



佐藤勝巳氏の主張する「共同謀議」とやらがあったかどうか不明ですが、あったとしたらその中身は西岡力氏の航空機搭乗方式に関する話し合いだったことになってしまいます。

「救う会」は随分幼稚な団体としか言いようがありません。

愛弟子西岡力氏は「正論」2月号掲載の追悼文で、「拉致被害者救出運動における実践的立場の違いがありここ数年間、全くお会いすることがなかった」と述べています。

「実践的立場の違い」とは何でしょうか。家族会の会計決算書提出と公開を横田滋氏に要求するか否かですか。

佐藤勝巳氏はそう主張しています。


「救う会」内部の対立とはカンパ費での飲食是非、西岡力氏の航空機搭乗方式、横田滋氏に決算書提出を要求するか否かなのか



佐藤勝巳論考「拉致問題との関わり」(12)によると、西岡力氏、平田隆太郎事務局長は横田滋元代表、増元照明事務局長に身を寄せ、組織内部で佐藤勝巳氏の意見を抑えてきたそうです。

真偽は私にはわかりません。西岡力氏、平田隆太郎氏はなぜ反論しなかったのでしょう。

佐藤勝巳論考「拉致問題との関わり」(12)によると、家族会の一人が平田隆太郎監査に、「佐藤は書く可能性がある。どう対処するか」と聞いたところ、

平田隆太郎氏は「マスコミが取り上げるはずがない」と自信満々で答えたそうです。

これもおかしな話ですが、佐藤勝巳氏が嘘を書いているなら反論すべきでした。

佐藤勝巳氏の「拉致問題との関わり」に依拠すると、


「救う会」内部の対立はカンパ費での飲食是非、西岡力氏の航空機搭乗方式そして横田滋氏に会計決算書提出を要求するか否かという話になってしまいます。


平成11年から24年までで「救う会」に寄せられたカンパ総額は3億3838万9189円



「救う会」に寄せられたカンパ総額を計算したところ、平成11年から24年までで338389189円でした。

私見では、カンパは西岡力氏ら「救う会」役員の裁量で殆ど自由に使えるようになっています。「救う会」の決算書とこれまでの活動実態からそういえます。

これだけのカンパをして下った国民の思いを、西岡力「救う会」会長、島田洋一「救う会」副会長は重く受け止め、佐藤氏解任の理由を公開するべきではないでしょうか。


現状では、低級な団体にカンパしてしまったなという話になりませんか。

藤勝巳氏が十年間会長を務め、救出運動の中心におられたことは西岡力氏の「正論」掲載追悼文からも明らかです。


西岡力氏は「孤立を恐れず自分の頭で考える」ことを佐勝勝巳氏から学んだ



そんな佐藤勝巳氏ですが、恐らくは自らの解任に激しく憤慨しながら亡くなられました。「統一日報」掲載の冒頭の文章を私はそう読みました。

西岡力氏は「正論」2月号掲載の追悼文で、佐藤会長から学んだ一番の点は「孤立を恐れず自分の頭で考える」ということだった、と述懐されています。

しかし西岡力氏は、佐藤氏の解任理由については何も語っていません。

佐藤氏解任の理由を非公開にすることが、孤立を恐れず自分の頭で考えた末の結論なのでしょうか。

カンパして下さった方々のお気持ちがどうであれ、厄介なことは表に出せないという判断なのでしょうか。

恩師の解任は、西岡力氏としてはやむを得ざる決断だったのかもしれません。

しかし現状では、佐藤勝巳氏の解任はカンパ費での飲食是非、西岡力氏の航空機搭乗方式そして横田滋氏に会計決算書提出を要求するか否かという3点で

西岡力氏と対立したからだという噂が広がるだけです。


聖書は披拉致日本人救出のために、暴力団関係者と連帯、共闘することを説いているのか



公の文献では何も見えません。


「救う会」にカンパや署名をして下さった方々、基督教に関心のある方々は、西岡力東京基督教大教授の今後の言動に注目すると、多くのことを学べるかもしれません。


恩師の解任は孤立を恐れず自分の頭で考えた結果だったのでしょうか。


指定暴力団と密接な関わりのある右翼や暴力団の共生者と連帯することを聖書は説いているのでしょうか。


西岡力氏が孤立を恐れて自分の頭で考えることを拒否しているからそんな結論が出てきてしまったのでは、としか私には思えないのです。

 

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