2020年3月22日日曜日

日本共産党中央委員会出版部編「『構造改革』論批判」(昭和41年刊行)より―長洲一二氏(横浜国大教授。後に神奈川県知事)は反党修正主義者だったー

「わが党を除名された反党修正主義者長洲一二、山崎春成氏らは、1966年8月におこなわれた『社会主義運動研究会第二回全国研修会」で講演を行い、これらの社会党右傾化工作に『理論』的武器を提供している」(同書「はじめに」より抜粋)。


昔の日本共産党には、日本革命の平和的移行唯一論、漸進的改革の積み重ねにより社会主義に移行するという説を唱える方々がいました。

春日庄次郎氏、内藤知周氏、山田六左衛門氏らが知られています。

日本共産党第八回大会当時(昭和36年7月)は若手でしたが、安東仁兵衛氏が後に構造改革論の代表的な論客として活躍しました。

この方々は当時、「構造改革派」と呼ばれました。宮本顕治氏は日本共産党第八回大会で、「構造改革」派を社会民主主義への転落と批判しました。

今の日本共産党の綱領は「構造改革派」の主張に近い。

当時、社会党の幹部だった江田三郎氏も「構造改革」を主張していました。

長洲一二教授は日本共産党を除名された


相当数のマルクス主義経済学者、政治学者がこの立場で理論活動を展開していました。

後に神奈川県知事となった長洲一二氏(横浜国大)もその一人です。

この本は、「構造改革」論者に対し改良主義だ、ユーゴスラビア修正主義の理論を取り入れているなどと批判しています。

注目すべきは、日本共産党が長洲一二氏を「わが党を除名された反党修正主義者」と規定している事です。

私は長洲一二神奈川県知事が昔日本共産党員だった、という噂を若い頃耳にしましたが、「反党修正主義者」として除名されたとは存じませんでした。

日本共産党にとって「反党修正主義者」と「反党分子」はどう違うのでしょうか。

日本共産党と異なる政治学、経済学上の見解を公にしたマルクス主義経済学者は「反党修正主義者」に該当するのでしょうか。

志賀義雄氏、春日庄次郎氏、中野重治氏(作家)らは「反党分子」と把握されています。

日本共産党幹部や職員だった方々が日本共産党と異なる見解を公にすると「反党分子」で、知識人の一般党員が同様の事をすると「反党修正主義者」という分類でしょうか。

日本共産党は「反党修正主義者」と連帯・共闘した


ともあれ、日本共産党は長洲一二氏を神奈川県知事選で長く支援しました。

確か、五期二十年です。勿論、社会党も支援しました。途中から、自民党も支援したかもしれません。

宮本顕治氏がどんな判断で、「反党修正主義者」との連帯を許容したのか不明です。

この御仁、明治の気骨を持つ方でした。「裏切者は許さない」という感覚が強かった。袴田里見氏、中野重治氏(作家)への執拗な批判を思い出します。

宮本顕治氏が反党修正主義者と連帯・共闘とは不思議です。

同じことが、志位和夫委員長、小池晃書記局長にできないはずがないと思いますが、いかがでしょうか。

篠原常一郎さんと小池晃書記局長がyou tubeで対談したら面白いですね。篠原さんは「反党分子」ではないと思います。






0 件のコメント:

コメントを投稿