2020年3月24日火曜日

レーニンによる売春婦、旧将校殺害指令より思う(レーニン全集第44巻所収「ゲ・エフ・フュードロフへ」より。大月書店刊行、p124)

「同志フョードロフ。ニジニでは明らかに白衛派の反乱が準備中だ。


全力をあげて、独裁官の三人委員会をつくり、即刻大衆的テロルを加え、兵士を泥酔させる何百という売春婦や、旧将校などを銃殺するか、町から追い出すべきである。一刻も猶予してはならない」

レーニンがフョードロフという人物にこの指令を出したのは、1918年8月9日と記されています。ロシア革命後の内戦の時期です。

この十日後、レーニンは「ア・イェ・ミンキンへの電報」(全集41巻、p136-137所収)で、次の指令を出しています。

「富農を容赦なく弾圧し、暴徒の穀物を全部没収することが、執行委員全員と全共産党員の責務であることを、彼らに伝えてもらいたい」

富農とされた人々が持つ穀物を全部没収し、モスクワやペテルブルグに運んで飢えた労働者に与えなければ、ボリシェヴィキの権力が維持できない状況だったのでしょう。

そのために「独裁三人委員会」とやらを作って売春婦と旧将校を銃殺せよ。

富農を容赦なく弾圧し穀物を全部没収せよ。

どう読んでも、残虐な事この上ない指令です。

ボリシェヴイキの権力を維持するために、レーニンは何度も殺人指令を出していました。

ボリシェヴィキが売春婦や旧将校を実際にどれくらい銃殺したのか、この指令だけではわかりようもありませんが。

小池晃書記局長はレーニンによる残虐な指令をどう考えているのか


この指令の二か月くらい前に、ニコライ2世(ロシア皇帝)一家が幽閉先でボリシェヴィキにより虐殺されています。

レーニンがロシア皇帝一家の虐殺指令を直接出したという証拠はありませんが、ボリシェヴィキの所業であることは疑いない。

レーニンによる残虐な指令については、森岡真史教授が随分前から研究成果を発表されています。

例えば「レーニンと『収奪者の収奪』」(上島武・村岡到編「レーニン 革命ロシアの光と影」社会評論社刊行、第二章所収)があります。

小池晃書記局長が出演する「とことん共産党」などの日本共産党のyou tubeで、レーニンによる残虐指令をどう考えるか、小池晃書記局長の見解を伺いたいものです。

売春婦の処刑論は、ジェンダー平等の観点からどう評価できるのでしょうか。

売春婦から性的労働サービスを購入したであろう旧将校も銃殺せよ、ですから男女平等で良いという話でしょうか。

売春婦や旧将校の銃殺、ロシア皇帝一家の虐殺は、社会主義を目指す探求なのでしょうか。

レーニンの残虐指令から、たつみコータローさんが唱えた安倍総理投獄、安倍総理の支援者処断論を思い出してしまうのは私だけでしょうか。


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