2020年3月7日土曜日

春日庄次郎氏(昔の日本共産党幹部)は現在の日本共産党の先駆者である―左翼知識人はなぜ「構造改革論」を再評価しないのか

「前掲の『前衛』論文にある革命の平和的移行唯一論に典型的にみられるように、社会民主主義的見地への完全な転落である」(宮本顕治氏による春日庄次郎批判。第八回大会決定p138より抜粋)。


今の日本共産党は、日本革命は平和革命でしかありえない、と考えているようです。

田村智子議員は先日、そんな呟きをしていました。

田村智子議員は、宮本顕治氏の著作「日本革命の展望」を殆ど読んでいないのでしょうね。

この本をじっくり読んだことがあるなら、暴力革命論者と言われたら宮本顕治氏の「敵の出方論」をすぐに思い出すでしょうから。

昭和36年7月の第八回大会当時、日本革命の平和的移行唯一論を唱えた春日庄次郎氏に対し、宮本顕治氏は社会民主主義への完全な転落だと断言しました。

宮本顕治氏によれば、日本革命の最終的な形態は敵の出方により決まる。

これを承認できない春日庄次郎氏ら「構造改革」論者は徹底的に社会民主主義的な革命論者だそうです(第八回大会決定p138より)。

春日庄次郎氏は民主的な人民権力の樹立なくして米帝国主義の駆逐が保障されると考える。

春日庄次郎氏は漸次的、合理的、民主的に、社会主義革命へのなし崩し的な移行が「唯一の道」として保障されていると考える。

この二点より、宮本顕治報告は春日庄次郎氏を社会民主主義的革命論者と断じました。

今の日本共産党は、「野党と市民の共闘」により日米安保廃棄が実現したら米帝国主義の駆逐が実現できると考えていそうですが。

日本共産党の昔の綱領(昭和36年7月の第八回大会で作成)はソ連を模範としていた


今の日本共産党綱領には、次の記述があります。

社会主義的変革は、短期間に一挙におこなわれるものではなく、国民の合意のもと、一歩一歩の段階的な前進を必要とする長期の過程である。

これは、春日庄次郎氏の言う「漸次的、合理的、民主的に、社会主義革命へのなし崩し的な移行」と大同小異です。

春日庄次郎氏ら「構造改革」派の方々は、昭和36年頃に今の日本共産党の綱領と同じような主張をしていました。

当時の社会党の幹部、江田三郎氏らも春日庄次郎氏と近い主張をしていました。

今の日本共産党が「野党と市民の共闘」を真剣に考えるなら、第七回大会、第八回大会決定の荒唐無稽さを認め、これらの無効を宣言するべきです。

日本共産党は第七、第八回大会でソ連を模範とする綱領を作成しました。

32年テーゼからも明らかなように、日本のソビエト化は日本共産党員の宿願でした。

宮本顕治氏はソ連が共産主義社会の全面的建設を成功のうちに遂行し、世界平和の強力な砦となっていると第八回大会報告で断言しています(第八回大会決定p132より)。

日本共産党はソ連を模範とする、という報告です。ソ連は共産主義社会の全面的建設に成功しているのですから。

左翼知識人が春日庄次郎氏が提起した「構造改革論」を再評価しないのは奇妙です。

日本共産党を叩き出された「反党分子」の再評価はタブーなのでしょうね。

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