2014年2月1日土曜日

続・佐藤勝巳氏(「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会)前会長)はなぜ解任されたのか

西岡力氏「佐藤勝巳所長に教えていただいたこと」(「正論」2月号掲載追悼文)と「救う会」のメールニュース、佐藤勝巳論考「拉致問題との関わり」(「統一日報」掲載)より思う



「救う会」の会長を約10年務めた佐藤勝巳氏はなぜ会長職を解任されたのでしょうか。


西岡力氏(「救う会」現会長。東京基督教大教授)が「正論」2月号に寄せている追悼文「佐藤勝巳所長に教えていただいたこと」によれば、


佐藤勝巳氏には、殺してやるとの差出人不明の手紙が来たり、尾行がついたりという脅迫も受けたそうです。


しかし、いつも佐藤所長は毅然としていたそうです。生前の佐藤勝巳氏の姿を知る私は、この「所長」という語から、声とお姿が脳裏に蘇ってきます。


文京区にあった「現代コリア」の部屋で、佐藤勝巳所長から故寺尾五郎氏のお話を伺ったこともありました。平成8年(1996年)夏頃だったでしょうか。


佐藤勝巳氏は毅然として愛弟子西岡力氏からの「救う会」役員会での解任通告を受けたのでしょうか。


「救う会」の規約では役員解任はどう規定されているのか―和歌山の幹事は辞任勧告-



以下は、「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会)のメールニュースの、佐藤勝巳氏解任に関する部分です。


その下は佐藤勝巳氏の論考「拉致問題との関わり」での、会長解任に関する部分です。


「救う会」のメールニュースでは「救う会」内部に何が起きていたのか一切わかりません。


メールニュースでは佐藤勝巳氏が退任の意思を表明したかのようになっており、御本人の回想記「拉致問題との関わり」(「統一日報」掲載)と大きく異なっています。


そもそも「救う会」では役員の選任、解任は規約のどの条項に依拠してなされるのでしょうか。


「救う会」のメールニュース2010年3月28日を見ると、規約第3条に依拠しているようです。


和歌山の幹事が


「『週刊新潮』で、拉致被害者家族の言動につき、事前に当事者に照会することなく、根拠を示さず誹謗中傷を行った。これは、救う会規約第3条に著しく違反する。」


ということで辞任勧告をされています。


「救う会」の現在の規約は、HPには掲載されていません。役員解任を定める条項はなく、辞任勧告のみのようです。


平成12年頃のメールニュースに規約と平成11年収支報告がある



「救う会」の平成12年頃のメールニュースに規約と平成11年収支が掲載されています。規約はその後、部分修正されているのでしょう。


現在の「救う会」の規約はHPに掲載されていませんので、役員の解任手続きがどうなっているかわかりません。


現在の規約を公開していない団体が、不特定多数から募金を受けるのは適切でしょうか。


募金が「救う会」の誰によって、どのような手続きと基準で使用されるのかが不明です。


北朝鮮の対南解放戦略を最も早くから指摘した佐藤勝巳氏



佐藤勝巳氏の著作「在日韓国・朝鮮人に問う」(1991年亜紀書房刊行)に感銘し、何度も読み返したのは私だけではないはずです。


佐藤勝巳氏は北朝鮮の対南解放戦略の存在を日本社会で最も早くから指摘した方でした。


この意義は、いまだに北朝鮮、総連との融和策を説く政治学者、朝鮮問題研究者がいくらでもいることを考えると、いくら強調してもしすぎではありません。


そのような方が晩年に心血を注いで参加してきた「救う会」会長職をなぜ愛弟子に解任されてしまったのでしょうか。


真実を知っているのは、2008年7月3日の「救う会」役員会議に参加していた方だけです。


西岡力氏には、佐藤勝巳氏から薫陶を受けた方、著書から感銘を受けた方が日本各地にいくらでもいることを、重々受け止めて解任の理由を公に表明していただきたいものです。


資料・救う会全国協議会ニュース★☆(2008.07.20)


救う会では、7月3日の役員会議において、佐藤勝巳会長から退任の意思が表明されていた。



役員会議では、規約に基づき、会長に藤野義昭副会長、会長代行に西岡力常任副会長を決定していた。


その決定に関する承認を求める協議を行い、賛成多数で承認された。


島田洋一副会長、平田隆太郎事務局長はそのまま継続するため、現在の役員は4名。


また、役員会議では佐藤勝巳前会長に名誉会長への就任を要請し、その時点では承諾されていたが、


当日参加した佐藤前会長自ら「要請を受ける意思がない」と表明されたため、就任には至らなかった。


佐藤勝巳「拉致問題との関わり」(11)、「統一日報」2013年9月19日掲載)



「2008年6月16日、わたしは電子メールで平田事務局長に、西岡氏が外国に行くとき、『ビジネスを使っていると活動家から聞いたが本当か』と問い合わせたが、そ


の返事はいまだこない。


会長が知らない間に上述のようなことが、救う会にも起きていることを知った。


佐藤解任劇はその2週間後に起きたのだ。


家族会の増元氏が「救う会」の、平田氏は「家族会」の会計監査である。


両氏が意を通じれば、会長が知らない間に国内はグリーン車、航空機はビジネスクラスを使用(国会議員から偶然聞いた)できる仕組みになっていた。」


「救う会に至っては、会計監査を1回も受けていない決算書が正しいと主張して、それを内部で問題にし続けてきた会長を、共同謀議で排除した」



(「拉致問題との関わり」(17)、「統一日報」2013年11月10日掲載)。


資料・救う会全国協議会ニュース★☆(2010.03.28)



井川幹事への辞任勧告井川朗・救う会全国幹事は、救出運動を担うべき立場にありながら、平成22325日発売の『週刊新潮』で、拉致被害者家族の言動につき、


事前に当事者に照会することなく、根拠を示さず誹謗中傷を行った。


これは、救う会規約第3条に著しく違反する。


救う会全国協議会は、井川氏に対し、救う会全国幹事としての役職の辞任勧告を行い、救う会和歌山に新たな幹事を出すことを求める。


辞任がなされない場合、次回救う会全国幹事会で発言の機会を与えた上で、処分を決める。以上


救う会規約第3条 本会は、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)への支援・協力を行い、他の目的を同じくする団体と協力して目的の達成のため活動をすすめる。


資料・平成12年頃の「救う会」メールニュースより抜粋


救う会全国協議会の規約と昨年の収支について 去る23日の合同会議で決定された全国協議会の規約と平成11年の収支についてご報 告します。



北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会規約

 第1条 本会は北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会と称する。
第2条 本会は北朝鮮に拉致された日本人を救出することを目的とする。
第3条本会は家族会への支援・協力を行い、他の目的を同じくする団体と協力して目的の達成のため活動を進める。
第4条 本会は各地域等の北朝鮮に拉致された日本人を救出することを目的とする会によって構成される。
第5条 本会に次の役員をおき、幹事会において選出する。
1、会長 1名
2、副会長 若干名
3、事務局長 1名
第6条 本会に会計監査をおき、幹事会において選出する。
第7条 幹事会は会長・副会長・幹事及び事務局長をもって構成し、本会の運営に必要な事項を審議する。
 (2)幹事は各構成組織より1名ずつ推薦された者及び必要に応じ幹事会の決定により推薦された者とする。
 (3)幹事会の定足数は委任状を含め2/3以上とする。
第8条 本会の経費は寄付金その他の収入をもってこれを充当する。
第9条 事務局長は年1回決算報告を作成し、会計監査の監査を求める。
(2)決算報告は幹事会において承認を求めるものとする。
第10条 本規約の改正は幹事会の議決によってこれを行う。
-------------------------------------------------------------------------
平成11年における全国協議会の収支(単位円)

収入

前年度繰り越し 3,830,417
カンパ 5,426,829
事業収入 2,411,991
その他の収入 56,260
収入計 11,725,497

支出

集会・学習会関連 3,451,829
旅費 2,659,177
通信費 2,092,200
印刷代 391,545
組織活動費 136,948
消耗品費 220,784
振込手数料 2,362
支出計 8,954,845

平成12年への繰り越し 2,770,652


 


 




 


 

 

 




0 件のコメント:

コメントを投稿