2021年8月18日水曜日

レーニンは祖国擁護が社会主義への裏切りと説いたー「プロレタリア革命と背教者カウツキー」(レーニン全集第28巻所収。大月書店刊行)より思う

不破さん、志位さんはレーニンと宮本顕治さんの文献を内緒にしたい

すこし前に松崎いたるさんがtwitterに出していた資料によれば、最近の日本共産党は一般党員にレーニンや宮本さんの著作を読もう、と勧めないようです。

不破さん、志位さんはレーニンと宮本顕治さんの革命理論には問題があるな、と思い始めているのでしょう。

今の日本共産党員は、宮本顕治さんの文献や当時の日本共産党の大会決定を入手しにくい。

田村智子副委員長は、32年テーゼやレーニンの「プロレタリア革命と背教者カウツキー」を読んでいないでしょう。

本ブログでは何度も論じてきましたが、レーニンの遺志と思想をスターリンとボリシェヴィキはしっかりと継承しました。

日本共産党はレーニン、スターリンの遺志と思想の継承者です。宮本百合子は宮本顕治さんを、ボリシェヴィキだと評しました。

昔の日本共産党が信奉していた32年テーゼは、スターリンを理論面で補佐していたオットー・クーシネンOtto Ville Kuusinenというフィンランド出身の国際共産党幹部により作成されました。

帝国主義戦争を内乱に転化せよ、プロレタリア赤衛軍創設、ブルジョア議会解散、労働者農民兵士ソビエト樹立論は、レーニンの思想に依拠しています。

クーシネンはレーニンの文献を熟読していたのでしょうね。上田耕一郎さんや榊利夫さんも、レーニンの文献を熟読していました。

聴濤弘さん、松竹伸幸さんはレーニンの文献に通暁しているでしょうけれど、レーニンによる富農殺戮指令、ロシア正教会弾圧指令については沈黙しています。

これに言及すると厄介なことになるからでしょうか。ロシア皇帝一家虐殺(大正七年七月)は、レーニンの承認なしにはできません。

労働者階級が権力を取っていない限り、祖国擁護を認める事は戦争の正当性を認める事だ

レーニンの思想は、レーニン全集に掲載されている数々の論考や指令から読み取ることができます。

1918年10月から11月に執筆されたという「プロレタリア革命と背教者カウツキー」にも、レーニンに思想を読み取れます。

第一次世界大戦時、レーニンは祖国擁護という方針に断固反対しました。

レーニンによれば、祖国擁護を認める事は現在の戦争を弁護し、この戦争の正当性を認めることです。

労働者階級が権力を取っていない限り、戦争は帝国主義戦争だそうです。

この著作でレーニンは、敵が自分の祖国に侵入したとき自分は社会主義者として祖国を守る権利と義務があるという主張は小ブルジョア民族主義者の議論であり、社会主義と国際主義を裏切るものだと強く批判しています。

祖国擁護は社会主義への裏切り、という話です。

レーニンによれば、軍隊は旧制度を支持する最も硬化した道具です。

革命的労働者は旧軍隊を破壊し解散して、新しい軍隊に置き換えねばなりません。

プロレタリア赤衛軍とやらで内乱を起こして、議会を解散させ、労働者農民兵士ソビエトとやらが権力を握ってプロレタリア赤衛軍と新しい軍隊にせよ、と主張した32年テーゼは、レーニンに思想を継承しています。

日本共産党員が安全保障について思考と議論をするなら、社会主義と国際主義への裏切り、小ブルジョア民族主義者

自衛隊解散、日米安保廃棄で日本国家の国防力を皆無にするという日本共産党の宿願は、上記のようなレーニンの教えに依拠しています。

革命家は旧軍隊を破壊し解散してから、新しい軍隊を作れとレーニンは説いています。スターリンとソ連共産党はこれを実行しました。

金正恩と朝鮮労働党による日本への核ミサイル攻撃に対して、一般党員が自分には日本国家を守る義務と権利があると主張したら、社会主義と国際主義への裏切りと志位さんに怒られてしまいそうです。

日本共産党は中国共産党、朝鮮労働党を覇権主義と批判していますが、大局的には平和勢力とみなします。

中国共産党、朝鮮労働党は日本共産党の宿願である自衛隊解散、日米安保廃棄に大賛成ですから。

憲法九条を生かした平和外交で日本国家の国防力を皆無にしたい日本共産党

最近の日本共産党が主張する、中国も含めた包括的な枠組みでの外交、北東アジア平和協力構想とやらの大前提は自衛隊解散、日米安保廃棄です。

日本がまず、自衛隊解散と日米安保廃棄で憲法九条を完全実施することにより、北東アジアで争いを平和的に解決しようという風潮が広がる、という発想です。

自衛隊解散、日米安保廃棄なら金正恩は日本に核ミサイル攻撃を実行し、民族の英雄になります。

韓国では伊藤博文を殺害した安重根が民族の英雄です。

自衛隊を解散したら日本からの反撃が一切ないのは明らかですから、金正恩にとって民族の英雄になる絶好の機会到来です。

中朝露は日本にやりたい放題、となるのです。

中朝露の核軍事力はどういう水準か、日本を侵略、攻撃する意思はあるのか。

これについて思考と議論をする日本共産党員は、小ブルジョア民族主義者で社会主義と国際主義を裏切っているのでしょうね。

宮本顕治さんの「日本革命の展望」や昔の日本共産党の大会決定を読もう、という方は社会主義の裏切りとは言われないでしょうが、日本共産党内で奇人変人扱いされそうです。




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