2021年8月8日日曜日

田村智子議員、上田耕一郎さんの「マルクス主義と平和運動」や日本共産党第九回決定をご存知ですか

 田村智子議員はtwitterで、核兵器が廃絶できるという日本共産党の主張と運動が衝撃となったと述べています。

田村智子さんはTwitterを使っています 「「はだしのゲン」に衝撃を受け恐怖心で被爆の事実に向きあえない自分に葛藤していた10代。核兵器は廃絶できるという日本共産党の主張と運動は第二の衝撃となった。 被爆者の皆さんの戦後直後からの運動は、私を変えてくれた、そして時代を動かした。 そして8月6日は国会初質問の日」 / Twitter

田村智子議員は、上田耕一郎さんの著作「マルクス主義と平和運動」(大月書店昭和40年刊行)や第九回大会決定をご存知なのでしょうか。

田村智子議員が早大文学部で学んでいた頃、上田耕一郎さんは日本共産党副委員長として活躍していました。

田村智子議員が民青同盟の活動に参加していたのなら、日本共産党の大会決定や不破さん、上田さんの文献を読みましょうと民青同盟職員の方から言われたはずですが。

上田耕一郎さんは社会主義の核兵器は民主主義防衛のための平和の武器と断言した

これらの文献を読めば明らかですが、昔の日本共産党は社会主義国の核は防衛目的である、ソ連や中国の核は世界戦争を抑止すると大真面目に主張していました。

昔の日本共産党が核兵器は廃絶できる、と主張したのは、米国が核兵器を廃絶すれば社会主義ソ連と中国も直ちに核兵器を廃絶すると考えていたからです。

上田耕一郎さんによれば、アメリカ帝国主義が核武装力の放棄に賛成すれば、その日にでも核兵器全面禁止協定が成立し、核軍拡競争の悪循環もなくなります(「マルクス主義と平和運動」p262)。

上田さんがこう主張した理論的背景は、レーニンの帝国主義論です。レーニンによれば金融資本が戦争を起こします。

米国の核軍拡は、核軍拡により巨額の利益を得る米国の金融資本、多国籍企業によるものです。

社会主義ソ連や中国には金融資本はないので、戦争を引き起こす経済的基盤はないという話です。

上田さんによれば、社会主義の核兵器はただ侵略戦争の防止、社会主義と民主主義の防衛のための平和の武器です(「マルクス主義と平和運動」p56)。

田村智子議員は早大の民青同盟で活動していたころ、民青同盟職員の方からこんな話を聞いていたのかもしれませんね。

上田耕一郎さんは、中国が社会帝国主義と論じた

ところで、上田耕一郎さんは「マルクス主義と平和運動」の戦争と平和の理論を多少修正せねば、と考えていた可能性があります。

「帝国主義の戦争政策と社会主義の態度」(「世界平和と民族自決権についての国際論争」新日本文庫、pp220-244掲載論考)で上田さんは、中国によるベトナム侵略は社会帝国主義だと批判しています(p230)。

中国は社会帝国主義という把握を敷衍するなら、尖閣や台湾をいつでも先制攻撃しうることになります。

社会帝国主義という経済的、政治的基盤があるなら、中国共産党が核兵器廃絶などするはずもないという話になり、自衛隊兵器の増強、日米軍事同盟強化が必要という話になりうる。

不破さんはこれが日本共産党員と支援者に広がるのを恐れたのでしょうね。また不破さんは、中国共産党が平和勢力だと信じていました。

自衛隊の武器増強、日米軍事同盟強化を批判する中国共産党、朝鮮労働党は日本共産党の平和理論から見れば平和勢力です。日本がアジア最大の戦争国家です。

不破さんは中国は社会帝国主義だ、という見方を封印すべく、中国によるベトナム侵略、赤旗記者射殺について沈黙しています。

上田耕一郎さんの理論活動についての議論は日本共産党内でタブーになっているのか

松竹伸幸さんが、上田耕一郎さんの「マルクス主義と平和運動」や第九回大会決定の核抑止論、上田さんの論考「帝国主義の戦争政策と社会主義の態度」を知らないとは思えません。

松竹さんは日本共産党本部で政策委員会を長く担当なさった方ですから。

松竹さんのブログや著作には、上田さんの核抑止論や中国は社会帝国主義論への言及が見当たりません。

上田さんの理論活動について論じることは、中国共産党によるベトナム侵略、赤旗記者射殺と同様に近年の日本共産党内ではタブーになっているのかもしれません。

田村智子議員も、中国によるベトナム侵略、赤旗記者射殺について完全に沈黙しています。

田村智子議員、松竹伸幸さんは、中国共産党、朝鮮労働党の核兵器も憲法九条に基づく平和外交で廃絶できるとお考えなのでしょうか。

中国共産党、朝鮮労働党は平和勢力でしょうか。今の中国には金融資本、が沢山ありませんか。朝鮮労働党にも、39号室という外貨稼ぎ機関が存在します。

大門みきし議員は恐らく、39号室をコングロマリット(複合企業体)と見たのでしょう。「大門ゼミ」でそんな話をしていました。

機会があれば、お尋ねしたいものです。



0 件のコメント:

コメントを投稿