国家安全保衛部と朝鮮人民軍を弱体化させれば被拉致日本人が北朝鮮から逃げやすくなる
被拉致日本人を救出するために日本政府、日本人は何をなすべきか。この問題を、逆から考えてみましょう。
現状では絵空事ですが、被拉致日本人が何者かの手引きで中朝国境なり、38度線を越えて北朝鮮から脱出できたと想定してみます。なぜその方々は逃げられたのでしょうか。
被拉致日本人を厳重に管理しているはずの担当部署、国家安全保衛部と国境を封鎖しているはずの朝鮮人民軍の監視が根源的に緩んだからです。
何者かが、被拉致日本人脱出の手引きをできるようになったからでしょう。
監視が緩んだのは、何らかの理由で国家安全保衛部と朝鮮人民軍が自らの業務を遂行する気力を失ったからです。私たちは、彼らの業務遂行気力の源を考えれば良い。
この状況は国家安全保衛部が、「民族反逆者」を逮捕して政治犯収容所に連行する気力を喪失したことになります。
国家安全保衛部の業務遂行気力が弱体化すれば、反党反革命分子を政治犯収容所に連行しなくなる
気力がなくなる経路の一つは、国家安全保衛部の職員でも日々の生活が配給だけではとても苦しく、外貨で闇市場から物資を購入せねばやっていけなくなくなるときです。
そんなとき、誰かから外貨の賄賂を受け取って「民族反逆者」を見逃すようになったのかもしれません。
様々な理由から「敬愛する将軍 金正恩同志」への忠誠心を失ってしまえば業務遂行の気力を失います。
三代目の言うことを聞いて日々のつまらない業務をやるより、闇物資運び屋と取引して被拉致日本人を逃がし、外貨を得た方が良い。
上層部には被拉致日本人を別のところに移したとでも報告し、多少の賄賂を出せば何も追求されない。上層部も精神的に弛緩している。そんな状況をあらゆる手段で醸成することです。
そういう状況になれば、被拉致日本人は北朝鮮から脱出できることになります。
朝鮮人民軍兵士の金正恩への忠誠心を弱体化させ、「独立軍」を作るために
あるいは、朝鮮人民軍の中で「敬愛する将軍 金正恩同志」への忠誠心が大きく毀損されたらどうなるでしょうか。
労働党中央への外貨上納義務を放棄し、自分たちで中国と交易をし生活を営むような師団が出てきたらどうなるでしょうか。
そんなとき、本来は朝鮮人民軍内部の警察ともいうべき機関「保衛司令部」が金正恩に反抗する人間を逮捕せねばならないはずです。
しかし保衛司令部も反乱分子に同調するようになってしまえば、その師団は事実上独立した軍となったようなものです。
独立した軍隊を鎮圧できるのは装備と忠誠心が勝っている別の軍しかない。国家安全保衛部の装備では、独立した軍隊を鎮圧できない。
独立した軍隊が支配するような地域内に政治犯収容所が存在していると、外部との連絡が遮断されてしまいます。
政治犯収容所を管理する国家安全保衛部は独立した軍に降伏することになるでしょう。
独立した軍隊の管轄にある政治犯収容所を解放させ、食糧を支援すればよい
政治犯収容所の囚人を独立した軍が釈放するのなら、国際社会から大幅な食糧支援を受けることは十分考えられる。
そんな地域ができれば、金正恩の権威は大きく揺らぎ平壌の権力も遠からず崩壊するでしょう。
平壌にいる被拉致日本人返還と引き換えに朝鮮労働党の対南工作担当者や国家安全保衛部高位幹部が亡命を要請するかもしれない。
こうした状態まで持っていくためには、経済制裁を徹底的に強化するだけでなく、北の国家安全保衛部と朝鮮人民軍に思想攻撃をラジオ放送などで加え、金正恩への忠誠心を弱体化させるべきなのです。
張成澤の人脈を全て消そうとすれば地方の人民軍幹部も対象になる―銃撃戦もありうる―
張成澤の処刑により、中国との交易担当者だけでなく朝鮮人民軍内部にもかなりの動揺、疑心暗鬼が募っている可能性は十分にある。張成澤の人脈は平壌の労働党幹部だけではありえない。
張成澤の兄と近い関係にあり、現在は地方にいる朝鮮人民軍幹部を、国家安全保衛部が「反党反革命罪」で逮捕しようとすれば、銃撃戦もありえるのではないでしょうか。
地方にいる朝鮮人民軍兵士の生活は悲惨なことこのうえない。兵士の悲惨さを熟知している地方駐在の朝鮮人民軍幹部が金正恩への忠誠心など持っているとは私には思えないのです。
張成澤の兄と近かった地方の人民軍幹部、地方の人民軍保衛司令部は、平壌の国家安全保衛部の動きを注視しているはずです。
日本政府は対北ラジオ放送で、「白頭山血統」の虚構性を知らせるべきだ
日本政府は対北ラジオ放送で、白頭山血統の虚構性を知らせるべきです。金正日はハバロフスクから80キロほど離れたヴャッコエ村で生まれたのですから白頭山将軍などではありえません。
金日成は1945年8月15日にはハバロフスク近郊にいたのですから、金日成が朝鮮を解放したなど大嘘です。
金日成自身も昔の「金日成著作集」で朝鮮を解放したのは偉大なソ連軍とスターリンだと述べていたことなどを対北ラジオ放送で伝えるべきです。
北朝鮮だけでなく韓国、中国東北部でも聴取可能なラジオ放送ならびにテレビ番組を作るのも良いでしょう。
参考文献として、例えば恵谷治「ドキュメント 金日成の真実」(毎日新聞社)をあげておきます。
テレビ番組は中国東北部の朝鮮族の間にyou tubeなどを通して知れ渡り、遠からず北朝鮮にも情報が流入していくことは間違いない。中国朝鮮族は北朝鮮に商売のため頻繁に入国しています。
中国政府は物資と外貨を北の高位幹部に与えてしまうという点で北を支えていますが、同時に中国朝鮮族が外部情報を運ぶという点では北の体制を揺るがしています。
金正日の長男、金正男の存在も知らせよう―元在日朝鮮人(帰国者)の息子、金正恩は正統性に欠ける
金正恩は金正日の三男であり、母親は元在日朝鮮人であること、長男の金正男の母親は北朝鮮の女優であることを知らせるのも効果的でしょう。
北朝鮮の一般住民は金正男など知らないでしょうが、彼らの論理からいえば、金正男のほうが正統性があるともいえる。
北朝鮮の住民に金日成、金正日神話の虚構性を知らせ、「白頭山血統」に疑問を持たせることです。金正恩は母親が元在日朝鮮人ですから、「正統性」とやらで金正男より劣っています。
母親が元在日朝鮮人だと正統性が弱いというのは私たちには真に奇妙ですが、金正恩は「帰国者」ともいえる血統ですから、そういう話にもなりうる。
政府の担当部署の方々、国会議員の皆様には、朝鮮民族が血統を何よりも重視する民族であることに留意されたい。
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