先人の仕事、業績を虚心坦懐に見つめ、学ぶことは大事です。
twitterやyou tubeでの発言を見聞する限り、山添拓議員、吉良よし子議員ら若い日本共産党員の中で宮本顕治さん、不破哲三さんの文献を熱心に読んでいる方は稀有のように私には思えます。
四十年ぐらい前の民青同盟は、宮本顕治さんの著作「日本革命の展望」を熟読することを奨励していました。
今の民青同盟で、「日本革命の展望」を読んだ事のある方などいるのでしょうか。
宮本徹議員、田村智子議員なら、お若い頃「日本革命の展望」を熱心に読んだはずです。三十年前なら、宮本顕治さんが日本共産党を主導していましたから。
宮本徹議員、田村智子議員なら不破さんの上記文献を読んでいるでしょうね。
今では志位さんも、若い日本共産党員に「日本革命の展望」や宮本顕治さんが主導した時期の大会決定を読もう、とは言わないでしょう。
第八回大会決定など昔の文献には、ソ連を礼賛する記述があります。
わが党はソ連覇権主義と一貫して生死をかけた戦いを行ってきた、という話が虚偽であることがばれてしまいます。
不破さんは中国共産党の宣伝を盲信した
不破哲三さんの数ある文献も、遠からず日本共産党員に無視されそうです。今でもそうなっているのかもしれません。
不破さんによれば、中国とベトナムは「市場経済を通じて社会主義へ」というレーニンが解明した道に挑戦しています(上記文献のp84より)。
不破さんによれば、中国には聯想集団(Lenobo Corporation)など社会主義の部門があり、市場経済を舞台にした資本主義との大きな競争が進行しています(同書p82-84)。
不破さんが中国のIT企業を社会主義の部門、とみなした理由は不明です。
不破さんは聯想集団のほかに北京大学がつくった「北大方正」、精華大学がつくった「精華同方」「精華紫光」などの国有企業が、市場経済のなかで大活躍をしていると聞いたそうです(p83)。
不破さん自身、なぜLenoboなどが社会主義の部門といえるのだろう、という思考をしなかったのではないでしょうか。
不破さんは中国共産党幹部と楽しく食事を何回もしたので、中国共産党の宣伝を盲信したのではないでしょうか。
私見では中国の国有企業は利潤本位で経営されています。
中国には国進民退、という言葉があります。これは中国共産党幹部の影響下にある国有企業が伸びて民間企業を退けている、という意味です。
国務院が大株主になっている巨大不動産企業があるそうです。名前を忘れてしまいました。恒大集団より大きいそうです。
中国共産党幹部は不動産開発、投機で巨額の資産を形成
地方政府を掌握している中国共産党の幹部は、不動産開発で権限を行使し、業者と結託して大儲けをしてきました。
中国の地方政府は、収入の多くを不動産開発に依存してきました。土地の利用権を不動産開発業者に売却して収入を得てきたのです。
不動産開発業者は、不動産開発資金を銀行からの借り入れや、理財商品という一種の投資信託を販売して獲得します。
不動産開発業者は不動産開発の際、中国共産党幹部も経営陣に入る別会社を作るそうです。
地方政府の幹部が民間会社の経営者になるとは実に変な話ですが、中国ではこれは違法ではないらしい。
行政権限を持つ中国共産党幹部が経営陣に入っているのですから、地元の国有銀行が大金を貸さないはずがない。
~の地域を開発するため、開発権限を売る事を決定する方々が、開発会社の経営陣なのです。高い不動産需要を考慮すれば、不動産開発で儲からないはずがない。
これらは中国人にとってほぼ常識です。上記のような話は、15年くらい前かと思いますが、NHKスペシャルで放映されていました。
激流中国、という題名だったと思います。今の北京では、不動産購入の最低必要資金が一億円だ、という話を最近伺いました。
中国ではどんな巨大企業でも、経営者が中国共産党の意に背く言動をとると厄介なことになります。
アリババグループ、アントグループの創業者、馬雲さん(Jack Ma)は一昨年に一時、消息不明になっていました。
幽閉されていた可能性もあります。今、どうしているのでしょうか。
恒大集団の経営危機の背景には、中国共産党最高幹部の中での権力闘争があるのかもしれません。
宮本徹議員は不破さんの本を真剣に読んだのか
宮本徹議員はtwitterで、中国共産党は共産党の名に値しないと主張しています。
宮本徹議員に問いたい。不破さんの著書「党綱領の理論上の突破点について」にある中国礼賛は何だったのでしょうか。
中国共産党が市場に強い社会主義を目指している、と不破さんが主張した根拠は一体何だったのでしょうか。
宮本徹議員は、不破さんの本を目を通した程度で、真剣に読んでいないのではないでしょうか。
真剣に読んで、それでも中国共産党は共産党の名に値しないと考えているのなら不破さんを徹底批判するのが自然と私には思えます。
中国共産党を礼賛してそれを反省できない不破さんの生き方を、若い日本共産党員には胸に刻んでいただきたいですね。
日本共産党議員、職員が不破さんを批判すると厄介なことになりそうですが。兵本達吉さんや萩原遼さんのような扱いにされてしまうかもしれません。
宮本顕治さんもご自身のソ連礼賛を反省しませんでした。先人の業績、生き方から学べることは多いですね。
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