中国の歴史を語る際、周辺の少数民族との抗争を無視できません。
匈奴という遊牧民族がトルコ系か、モンゴル系なのか私にはわかりませんが、漢の武帝の頃には強大になっていたと考えられます。
中島敦の傑作「李陵」は、武帝の時代に匈奴に投降した武将の物語です。
秦以来の漢族の伝統的世界観、宇宙観では、中華帝国の皇帝は天帝から全世界の統治権を授与されていますから、全人類社会の帝王です。
毛沢東は勿論、習近平も自分は全人類社会の帝王だ、くらいに考えているのではないでしょうか。
天帝から統治権を授与された、とまでは考えていないでしょうが。
一帯一路、は中国共産党による世界支配策の一環
中国共産党は九段線という海上国境のごとき線を勝手に設定し、東南アジアの海の殆どを自国の海と規定しています。
明朝のときに、鄭和という軍人の船隊が行ったところは我が領土、領海という発想です。
中国共産党の一帯一路、という路線は中国共産党による世界支配策の一環と考えられます。
中国共産党は領土、領海を拡張する際、常に軍事力を行使するわけではありません。
一帯一路策で中国共産党は、途上国のインフラ整備を支援すると称して高金利で多額の貸し付けを行います。
途上国側が債務返済困難になったら、様々な理由でその途上国の領土を侵食しようという狙いです。
全世界の支配は、毛沢東以来の中国共産党の世界革命戦略なのです。
毛主席は世界革命運動の舵取りだ、という表現がありました。
中国共産党は周辺諸国の政治家、知識人、運動家を懐柔してきた
毛沢東以来、中国共産党は周辺諸国の政治家や知識人、運動家を懐柔し、中国共産党に有利になるような言論活動、政治活動をさせるように仕向けます。
昭和26年から昭和28年頃の日本共産党は、ソ連共産党、中国共産党を盲信して暴力革命論を採用しました。
この頃、武装闘争に参加した日本共産党員もいました。
この時期に作られた北京機関という組織には、日本共産党員が千人ぐらい参加していたようです。
北京機関の運営費用の多くは、中国共産党が負担したと考えられます。
中国共産党による日本の政治家、知識人、運動家への懐柔策、政治工作はその後も一貫して続いています。
中国共産党内でこれを担当しているのは、対外連絡部なのでしょうかね。以下の不破さんの著作に、対外連絡部幹部の名前が出てきます。
不破さんは中国共産党に懐柔された
私見では不破さんも中国共産党による懐柔策により、中国共産党を礼賛するようになりました。
日本共産党は24年ぐらい前に、中国共産党との交流を再開しました。
日本共産党の説明では、中国共産党が日本共産党への干渉を反省したということですが、これは懐柔策の一環とみるべきです。
中国共産党は人民解放軍による高野功赤旗記者射殺について謝罪や補償などしていません。
この事件は、今の日本共産党内ではタブーになっているようですね。
不破さんの著作「北京の五日間」(新日本出版社より平成14年刊行)によれば、中国共産党は不破さんらの四泊五日の北京滞在中、五回の宴会を開催しました(同書p22-23)。
第一回目の宴会は、全体で四時間近くに及んだそうです。
不破さんによれば、宴会方式での話し合いの利点の一つは、形式的な段取りをぬきにして論点を自由に移動させながら、日本と中国、世界が今ぶつかっている問題を自由自在に話し合えることです。
山海珍味を満喫しながら、中国共産党大幹部と懇談する不破さんの姿を想像できませんか。
北京滞在二日目に不破さんは、社会科学院で「レーニンと市場経済」と題した学術講演を行いました。
「北京の五日間」を読めば読むほど、中国共産党の懐柔策はすごいと感じるのは私だけでしょうか。
中国共産党幹部の皆さんは不破さんの学術講演に感銘した芝居をしたのでしょうね。
不破さんによる中国共産党礼賛は、このあと二十年程度続きました。
太田彩花さん(日本共産党江戸川地区委員会勤務)は不破さんの「北京の五日間」を読みましたか
日本共産党江戸川地区委員会職員の太田彩花さんは、中国共産党は共産党を名乗るべきではない、とtwitterで主張しています。
太田彩花さんは不破さんの著作「北京の五日間」を読んだのでしょうか。
不破さんは、中国共産党こそ共産党の名にふさわしい、と考えたから、この著作を出したのです。
四時間の宴会で、どんな料理が出たのでしょうか。不破さんにとって、思い出に残る北京滞在だったのでしょうね。
山本豊彦赤旗日曜版編集長が不破さんを取材し、北京での五回の宴会で出てきた料理の内容を日曜版に出したら読者が増えそうです。
不破さんの「北京の五日間」は、数ある不破さんの著作の集大成ともいうべきものではないでしょうか。
日本共産党流にいえば、不破さんは覇権主義との生死をかけたたたかい、に負けたのです。
日本共産党議員、職員の皆さんにこの本をぜひ読んでいただきたいものです。
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