志位さんが日本共産党の若き理論家として登場したのは、「投稿主義者の観念論史観」(日本共産党中央委員会出版局、昭和61年刊行)に出ている論文がきっかけです。
この本は伊里一智さんという、東京大学院生への批判論文集です。
この本に掲載されている「反動攻勢へのみじめな屈服」「ふざけた計画、ふざけた弁明」という2つの無署名論文は志位さんが書いたそうです。
その噂をいつ、どなたから伺ったのかは忘れてしまいました。
私の記憶では、同趣旨の論文が日本共産党が当時出していた「学生新聞」にも出たような気がします。記憶違いかもしれません。
36年前ですから、志位さんは31歳ぐらいの頃に執筆したことになります。
想像ですが、宮本顕治さんはこの論文を読んで驚愕したのでしょうね。将来の日本共産党を担える理論家だ、と思ったのではないでしょうか。
私は、若き志位さんの文章がどことなく、レーニンのカウツキー批判の諸論考に似ているように感じます。
志位さんは伊里一智さんの主張を右転落した社会党への追従論と批判
若き志位さんによれば、伊里一智さんは反党文書とやらで社民政権への閣外協力、国政選挙三人区での一方的選挙協力、赤旗と社会新報の紙面の相互提供、人的交流、組織統合への戦略などを主張しました(同書p27)。
志位さんによれば、日米軍事同盟と自衛隊を容認している社会党は右転落しています。
伊里一智さんの主張は、戦後第二の反動攻勢の中で路線転換し完全に右転落した社会党への徹底的な追従であり、前衛党を解体に導くものです(同書p26)。
日米軍事同盟と自衛隊容認云々ですが、立憲民主党はそれをHP等で明言しています。
近年の日本共産党は立憲民主党が中心となって作る事を想定している政権への閣外協力を明言しています。
何年か前の国政選挙では、政権協定などなくても一方的に選挙協力をしました。
紙面の相互提供、組織統合まではしていませんが、立憲民主党との人的交流を推進しています。
若き志位さんの見地なら、今の志位さんの主張は日米軍事同盟と自衛隊を容認している右派政党への徹底的な追従であり、前衛党を解体に導くことになりませんか。
志位さんは中朝露が日本にミサイル攻撃を断行したとき、日米安保発動を容認しますか
日本共産党は急迫不正の主権侵害時に自衛隊を活用するそうですから、自衛隊容認論者ともいえます。
中朝露が日本にミサイル攻撃を断行したとき、政府が日米安保に依拠して米国に反撃要請をすることを、志位さんは容認するのでしょうか。
容認するなら、志位さんは日米安保活用論者です。
断固反対なら、志位さんは中朝露の支援者です。
私見では、志位さんと日本共産党議員、職員はこの質問に答えられません。どちらの答えをしても、厄介なことになりますから。
集団的自衛権行使には反対だが日米安保と自衛隊を活用するなら、昔の社会党どころか自民党と同じです。
伊里一智さんより、今の志位さんの方が右だと言われかねない。
今の日本共産党幹部の中に、「投降主義者の観念論史観」を読んでいる方など稀有でしょうから、誰もそう言わないかもしれませんが。
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