2013年12月15日日曜日

張成澤処刑により国家安全保衛部や朝鮮人民軍の外貨稼ぎが困難になった-日本政府は、北朝鮮に徹底的な思想攻撃を断行するべきだ!

張成澤はわが党と国家の指導部、社会主義制度を転覆する目的で反党反革命的宗派行為を強行し、祖国に反逆した天下の万古逆賊だ(朝鮮中央通信12月13日より抜粋)。


在日本朝鮮人総連合会の皆さん。御存知でしょうが、張成澤が惨めな死に方を迎えてしまいましたね。

張成澤は北朝鮮の事実上のNo.2の権力者でした。金正日の妹、金敬姫の夫ですから、金正日にとって、張成澤は右腕のような人物でした。

朝鮮中央通信によれば、張成澤は国家安全保衛部の特別軍事裁判で刑法第六十条により死刑の判決を受けました。

判決は直ちに執行されたと朝鮮中央通信に出ています。韓国には、張成澤は機関銃で殺害され、死体は火炎放射器で焼き尽くされたなどという報道もあります。

特別軍事裁判とやらには、弁護士などいなさそうです。北朝鮮では、政治犯には通常の意味での裁判はありません。

江戸時代の日本では、欧州から布教のために潜入してきた宣教師が火炙りにされた例はあります。

宣教師が拷問の末転向すれば、日本名を与えられて生活を保障されました。現在の北朝鮮では、人々は江戸時代の日本より人権が保障されていないのです。

今後の北朝鮮はどうなるか。数万人規模で幹部の政治犯収容所や山奥の僻地追放がなされ、北朝鮮はさらに窮乏化していくでしょう。

窮乏化の責任を、別の大幹部がとらされることになるかもしれません。日本や韓国から金と食糧を得るために、とんでもない脅迫がなされる可能性も十分にあります。

以下、在日本朝鮮人総連合会の皆さんに関係する件から、今後どうなるかについて私の予想をお話します。

北朝鮮帰国者(元在日朝鮮人)の中で張成澤と人脈を築いてきた人が危ない

 

北朝鮮では「学習に行く」とかいう名目である日突然、一家もろとも政治犯収容所に送られてしまうこともあります。

在日本朝鮮人総連合会の皆さんはそういうとき、「山へ行った」と言いますね。

在日本朝鮮人総連合会の皆さんには、それぞれ北朝鮮に渡った親族、帰国者がいるはずです。帰国者の中には帰国後、親族からの多額の資金援助により労働党幹部になった方もいます。

そういう方の中には、張成澤と何らかの人脈を築き、多少の権勢をふるってきた方もいるはずです。在日本朝鮮人総連合会の大幹部の皆さんなら、いくらでも心当たりがあるでしょう。

その方々が「山送り」になってしまうかもしれません。これを防ぐためには、さらに巨額の献金、数千万円を国家安全保衛部の幹部に出せば良いのかもしれません。

国家安全保衛部は、遠からず在日本朝鮮人総連合会のところにやってきて、「金を出せ」と要求するのではないでしょうか。

国家安全保衛部は、中国朝鮮族の旅券を偽造して日本に入国するかもしれまん。北朝鮮の旅券で日本に入国すれば動きを公安当局に把握されてしまいます。

国家安全保衛部も、「外貨稼ぎ」ができなければ金正恩への忠誠心を疑われてしまいます。彼らも必死でしょう。

国家安全保衛部は、北朝鮮帰国者からの手紙を持って在日本朝鮮人総連合会の皆さんのところにやってくるかもしれません。

国家安全保衛部の連中が皆さんのところに来たら、日本の警察に通報して逮捕してもらったらどうですか?偽造旅券による入国なら違法行為です。

「唯一指導体系の確立」に反対するのは当たり前ではないか-



張成澤は「天下の万古逆賊」だそうです。

遥かなる昔から「わが党と国家の指導部、社会主義制度」を転覆しようとしていたからそういう表現になったのでしょうね。

これは真実かもしれません。今年の5月くらいでしたか、女性の警察官が革命の首脳部を守ったとかいう理由で表彰されました。これなど、怪しいものです。

ところで反党反革命的、という言葉は私にも理解できますが、宗派という言葉は普通の日本語ではないでしょう。普通の日本語では派閥といいます。

朝鮮中央通信はこれをfractionalと翻訳しています。Renegadeという訳もありえると思います。

在日本朝鮮人総連合会の皆さんなら、宗派という語には独特の意味が込められているのをよくご存知ですね。普通の韓国人には理解不能でしょう。

「唯一指導体系の確立に反対した連中」というような意味でしょう。普通の日本人や韓国人には理解しにくい概念です。

要は、金日成、金正日、金正恩の指示に何らかの意味で反対した、という程度のことです。三大世襲に反対すれば当然、宗派分子ということになりますね。

北朝鮮でも普通に選挙で政権につく人を選ぼう、などと主張する人は当然、宗派分子、天下の万古逆賊とレッテルを貼られてしまいます。

これは北朝鮮社会の常識です。

しかし、「唯一指導体系の確立」に反対するのが現代社会の常識ではないですか。北朝鮮の「選挙」は、各人が誰に投票するのかあらかじめ当局に指定されています。

投票に行かなければ当局により処罰されます。

在日本朝鮮人総連合会の活動を熱心にやってきた老幹部なら、「宗派分子」といえば直ちに金炳植事件を思い出すのではないですか。次の本が参考になります。


宗派分子とは何か-「『金炳植事件』-その真相と背景-」(統一朝鮮新聞特集班1973年刊行、p264-5)より-



この本によれば、、1973年12月北朝鮮への帰国船として新潟港に入った「万景峰号」便で総連に「在日朝鮮人運動の勝利的前進のための決定的担保」という「提講」が伝達されました。

提講という言葉も、普通の韓国語にはなさそうです。

「提講」の第一章第二項は、次のように金炳植を「反党、反革命、宗派策動」分子と規定しています。以下、その部分を抜粋します。


「主体思想体系を確固とうち立ててのみ偉大なる敬愛する首領金日成元帥様の戦略戦術を正確に貫徹してゆくことができるということをこのたび総連内部で発生した金炳植の反党・反革命・宗派索道を通じてはっきり知ることができる」


以下、この本に引用されている「提講」では、金炳植がいかに酷い人間か縷々説明されています。結論部では次のように述べています(同書p269)


「主体思想がうち立てられなければ、愛国事業の勝利的前進を遮る金炳植のような野卑、陰謀、宗派、民族虚無主義者が、再び現れないという保障はない」


この文章は張成澤への判決文と似ています。張成澤は金炳植と同じような人物だったということなのでしょうが、それほど悪辣な張成澤を重用し最高幹部にしたのは金正日ではないですか。

張成澤が天下の万古逆賊だったのなら、金正日には全く人物鑑識眼がなかったことになります。

金正日は遺言で金正恩と金敬姫に張成澤を除去する能性を指摘していたという報道もありますが、本当に危険な人物と認識していたなら自分で除去しておくべきだったのです。

金正日は張成澤にまんまと騙されていたことになります。


張成澤は中国から好条件で石油や食糧を得ていたのではないか-金正日死後、張成澤が39号室(金正日直轄の外貨稼ぎ管理機関)を掌握していたのかー



張成澤が有能だったから、彼の周りに人々が集まり、「宗派」を形成できたのでしょう。張成澤が主導して中国から石油や食糧を低価格、好条件で得ていたのではないでしょうか。

朝鮮中央通信は天然資源を張成澤が捨て値で売ったかのように述べていますが、鉄鉱石や石炭を採掘するためには機械が必要です。

中国に運ぶためには道路を整備し、大型のトラックが行き来できるようにせねばなりません。それらの費用は、中国の企業が負担してきたのではないでしょうか。

北朝鮮に天然資源採掘のための機械、運搬のための大型トラックが皆無というわけではないでしょうが、多くは老朽化して使い物にならないのではないでしょうか。

中国企業が諸費用を負担してきたのなら、鉄鉱石や石炭そのものの価格は国際水準よりずっと低くなって当然です。

中国企業と確実に商売をやっていけば、中国政府とも良好な関係を維持できます。

中国企業との合弁を主導した張成澤が、中国の中央政府から良い条件で石油や食糧支援を得ていたのなら、北朝鮮全体としては算盤勘定があっていたのではないでしょうか。

しかし、鉄鉱石や石炭から得られるはずの外貨が、朝鮮人民軍すなわち第二経済委員会の懐に入らず、39号室に行ってしまったのなら、軍部の不満は大きかったでしょう。

金正日死後、張成澤が39号室(金正日直轄の外貨稼ぎ管理機関)を掌握していたのかもしれません。

張成澤処刑により、中国で外貨稼ぎをしてきた人たちはほぼ全員、「宗派分子」などとレッテルを貼られて政治犯収容所送りになる可能性が出てきました。


張成澤の人脈を一掃すればさらに窮乏化-国家安全保衛部や朝鮮人民軍大幹部の忠誠心も弱体化



一時的に失脚したことはありましたがおよそ40年間、張成澤は朝鮮労働党の大幹部として活動してきたのです。

張成澤と何らかの人脈を築いてきた人の総数は、数え方によっては数万人に及ぶのではないでしょうか。

39号室にもそういう人がいるはずです。中国で外貨稼ぎをしてきた人の殆どはそれに該当してしまいそうです。

国家安全保衛部にも張成澤の息のかかった人物はいくらでもいたことでしょう。その人たちはもう収容所送りになっているかもしれません。

張成澤の人脈を一掃するということは、外貨を稼いできた人材を一掃することでもありますから、貴重な外貨がさらに入らなくなってしまいます。

朝鮮人民軍が鉄鉱石や石炭の管理権を手中にしても売るところがありません。中国以外、どこに売るのでしょう。地下資源の採掘手段、運搬手段が朝鮮人民軍にはないのです。

朝鮮人民軍は魚や貝など水産資源を中国に売って外貨を得ていましたが、これも困難になりました。船を動かすのにも油がいります。

朝鮮人民軍はさらに窮乏化します。中国から原油が入りにくくなってしまうでしょうから、戦闘機の訓練が困難になります。


金正恩独裁体制の崩壊を目指して、徹底的な思想攻撃を!


どんなに強権的な国家でも、金がなくなれば弱体化するものです。

国家安全保衛部や人民軍の大幹部が忠誠心を行動で示しても、金正恩からは大した報奨がないのです。金正恩への忠誠心は着実に弱くなっていきます。

今こそ日本政府は、北朝鮮住民が聴取可能なラジオ放送などを通じて、徹底的な思想攻撃をかけるべきです。

ラジオ放送を北朝鮮住民がもっと容易に聴取できるようにするべきです。中国に潜伏している北朝鮮の外貨稼ぎ手や国家安全保衛部、高級幹部はインターネットを見ているかもしれません。

中国朝鮮族の中に、協力者を増やして行けば良いのです。

法を改正し、脱北者受け入れの準備を早急にすすめ、金正恩独裁体制の崩壊を目指すべきです。それが、拉致された日本人救出の唯一の道と私は考えます。






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